東北大学の入試問題の出題傾向を徹底分析! とるべき対策や勉強方法がわかる!

東北大学の入試問題の出題傾向を徹底分析! とるべき対策や勉強方法がわかる!

2024年 06月 27日

傾向と対策(前期日程)

2023年度までの前期日程の入試問題を分析しました。さらに詳しい最新の分析は「大学赤本シリーズ」をご覧ください。

【目次】

【英語】

傾向

読解・英作文中心のオーソドックスな出題

日本語・英語両方の高い記述力が求められる

出題形式 大問4題
試験時間 100分
解答形式 記述式中心(英文和訳、内容説明、和文英訳、英作文など)

選択式(空所補充・文整序・語句整序・同意表現・内容真偽など)

出題内容

①読解問題・会話文問題

  • 例年2題は英文和訳、内容説明を軸に、空所補充、内容真偽、同意表現、文整序などの問題を配した長文読解総合問題。
  • 会話文問題は空所補充や内容真偽に加えて、テーマ英作文や英文での内容説明を含む問題となっている。
  • 英文の量は、1題800〜1000語程度のものが中心。
  • 英文の内容は、機械学習や環境難民の問題、情報化時代の未来像など、今日的な話題を扱ったものから、言語、教育、文化に関する論説文、自伝的エッセーなど、非常にバラエティーに富んでいる。

②英作文問題

  • 和文英訳は全体的な構成としては、比較的シンプルに書けるが、逐語的に訳すことができない部分が多いので、和文の内容をいかに的確に把握して、構文や重要語句をうまく利用するかがポイント。
  • テーマ英作文は会話文などで与えられたテーマについて作文するもの、自分の意見を論述するものなど、さまざまな形で出題されている。

難易度

  • 英文和訳や和文英訳などの設問はオーソドックスで標準的なものが多いが、英作文や内容説明では英文読解力に加えて、日本語・英語両面にわたる高度な記述力(要約力・表現力)が求めれられる。
  • 試験時間100分に対して大問4題で、読解、会話文、英作文と負担の大きい問題ばかりで時間的余裕はない。時間配分には特に注意が必要。

対策

①読解問題・会話文問題

  • 読解英文には、一部に難しい語も含まれているが、前後の文脈などから意味を推測できるようになっており、推測できる力が求められている。
    • 基本的に英文の中で単語や熟語を覚える。
    • 文脈における適切な訳を選ぶためには、長文を読む中で単語を覚えていく形式の単語集を利用するとよい。

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  • 実戦的な演習では、過去の問題が最良のテキストである。英文のレベルや出題形式に慣れるのに利用するとよい。設問となっている箇所だけでなく、全文に詳しく目を通し、構文や語句を確認しておく。

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  • 英文和訳は実際に紙に訳文を書くという作業を怠らず、日本語の表現力を磨く。
    • 和訳すべき箇所の前後の文脈をしっかり把握できているかを問う形の和訳が多いのが特徴。
  • 難解な語句はほとんどなく、あっても前後の文脈や語幹などから意味が推測できる。下線部のそれぞれにポイントとなる語句・文法のほか、仮定法、無生物主語、倒置、比較級などの重要構文が含まれていることが多い。
    • ポイントとなっている文法や構文、イディオムを見落とすことがないよう、知識を確実にする。

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※精読の訓練をするのも効果的

  • 内容説明は重要な点を要領よくまとめる日本語の作文力が必要。
    • 記述式がほとんど。英作文形式は50〜70語という語数指定があるときもあるが、日本語で答えるものは字数制限がなく解答欄の範囲内での記述が求められる。
    • 長文を読む際、指示語が出てきたら、必ずその指示内容を確認する習慣をつける。
  • 同意表現・空所補充など
    • 空所補充は文脈を把握して前置詞を入れるものや単語・語句・文を挿入するもの、イディオムの知識を試すものなどが出題される。
    • 同意表現は最近では本文中の語の意味を表す英語表現を選ぶ形式で出題されている。
    • 内容把握問題の一種ととらえて、英文の流れをたどることから解答する習慣をつける。
  • 内容真偽
    • 複数の選択肢から正しいものor誤っているものをいくつか選ぶ場合、一読してすべて見つからない場合もある。
    • 本文を読み返しているうちに時間不足になるので、選択肢に対する該当箇所を本文にマークしたうえで、選択肢を真・偽・保留の3つに分けておき、後で、保留分だけ本文の該当箇所を読み直し、解答数を調整する。

②英作文問題

  • 和文英訳:レベルは標準的、基本の英文がいかに正確に身についているかがポイント!
    • 例文のマスターから始め、その構文や和文から英文への転換の仕組みに注目しつつ覚え応用力をつける。
    • 必ず実際に自分で書いてみて、書いたものを解答例と見比べ、まねることも大切。
    • 先生に添削してもらうのも良い。

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  • テーマ英作文・意見論述
  • たとえば〔 主張→その主張に対する理由→具体的な例 〕というように、英作文を書く手順をパターン化する。
  • その手順に従って、書く内容を箇条書きにまとめてから清書する、というような練習を繰り返す。
    • 文法・語法的なケアレスミスをチェック。
    • 同じ語句や構文の繰り返しを避ける。

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【数学(理系)】

傾向

微・積分法は2、3第出題されることも

出題形式 大問6題
試験時間 150分
解答形式 全問記述式

出題範囲

  • 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B(数列、ベクトル)

頻出項目

  • 微・積分法が必出。
  • 微分法では、関数値の変化への応用(最大・最小、方程式、不等式など)。
  • 積分法では、面積・体積への応用が多いが、数列の和の極限値への応用、定積分の計算の出題もある。
  • 次いで多い項目が、確率、複素数平面、数列、図形と方程式などである。

point!「解答上の注意」

  • 解答は「必ず解答用紙の指定された箇所に記入すること」と注意事項があるので厳守! 解答は結果だけではなく、解答経過も記さなければならないが、記述スペースは適当な大きさである。

難易度

  • 標準レベルの素直な問題も多いが、考察の難しい問題、計算の容易でない問題が毎年みられる。

対策

①教科書の学習よりさらに進んで、受験問題集による演習で実力を養成しよう。

  • レベルは標準程度でよい。
  • 問題集の解答を見るときは、基本事項の使い方を学ぶように心がけることが重要。
  • 出題範囲全般にわたって、ひととおり学習できたならば、頻出項目に対して特に強化学習を行う。標準問題ならば確実に正解できるという自信がつくまで学習することが望ましい。

②正確で迅速な計算力を養成することが重要。

  • 計算力が強いと、試算によって解法を探ったり、解法の正しさを計算で確かめたりすることができる。

③適切な図を描く技量を養い、図を用いる力を高めるようにする。

  • 題意の理解、解法の発見、解答結果の検討などが容易になり、問題の本質を的確に把握できるようになる。

④簡潔で要領を得た答案を作る訓練をする。

  • 「赤本」や教科書・参考書の解答例をよく分析する。
  • 答案の記述力は、練習により体現する以外に養成方法はない。

☞オススメ参考書『東北大の理系数学15カ年』(教学社)

【数学(文系)】

傾向

標準レベルの良問 微・積分法、図形と方程式、確率、ベクトルが頻出

出題形式 大問4題
試験時間 100分
解答形式 全問記述式

出題範囲

  • 数学Ⅰ・Ⅱ・A・B(数列、ベクトル)

出題項目

  • 微・積分法、図形と方程式、確率、ベクトルの出題頻度が高い。
  • 微分法は関数の最大・最小への応用、積分法は面積への応用が多い。
  • 数列も次いでよく出題されている。

point!「解答上の注意」

  • 解答は「必ず解答用紙の指定された箇所に記入すること」と注意事項があるので厳守! 解答は結果だけではなく、解答経過も記さなければならないが、記述スペースは適当な大きさである。

難易度

  • おおむね教科書の節末・章末問題レベルの標準的な問題が出題されている。
  • 年度(2019年度など)によってはやや難度の高いこともある。
  • 100分の試験時間に対して、出題量も難易度も適当で、高等学校における学習の到達度を判定するのにふさわしい出題。各設問の難易を見きわめ、取り組みやすいものから手をつけて時間配分に気をつけよう。

対策

① 教科書の学習を軽視しない。

  • 教科書を反復学習して、用語の定義や公式・定理の証明など、基本事項の習得に確信が持てるようになるまで努める。

②問題集による演習

  • 目標は標準問題を自力で解くこと。難問は深入りしなくてもよい。
  • 問題集の解答を見るときは、基本事項の使い方を学ぶことが重要で確実に理解する。

③正確な計算力をしっかり養っておく。

  • 解答経過とは別の方法で計算してみて、題意に適合するかどうか検討するなど、検算方法を平素から研究する。

④頻出項目に対しては、標準問題ならば確実に正解できるという自信がつくまで学習する。

⑤ 週に1回程度は答案の作成練習をしよう。

  • 数や式を断片的にかきならべただけではなく、経過説明や論証を加えた記述が求められる。
  • 冗長な説明や無駄な記述がない簡潔で的確な答案作成をめざして練習をする。

【物理】

傾向

誘導式で思考力を問う良問 計算力・記述力の強化を

出題形式 大問3題
試験時間 理科2科目で150分
解答形式 全問記述式(ほぼ全問が解答の結果だけではなく、考え方や計算の過程も記述する形式となっている。年度によっては論述問題の出題もみられる)

出題範囲

  • 物理基礎・物理

頻出項目

  • 力学と電磁気が出題の中心で、毎年それぞれ1題ずつ出題されている。
  • 残る1題は熱力学か波動であることが多い。

難易度

  • はじめに基本的・標準的な設問があり、そこから掘り下げて考えていく形式が多い。
  • 比較的丁寧に誘導されているが、物理的なセンスや高度な応用力・思考力を要する問題もある。いずれもよく練られた良問というべきもので、全体的にオーソドックスな問題が多い。1題あたり25分を目安に、難しい設問に時間をかけすぎないように取り組もう。

対策

① 教科書を中心とした基本事項の徹底的な理解

  • まず、標準問題がひととおり解けることが第一。
    • 公式を導く過程や物理量の定義などに注意しながら教科書の事項をきちんと理解して、物理的なイメージを養っておくことが大切。

② 目的をもった問題演習をする。

  1. 教科書傍用、『体系物理』(教学社)など定評のある少し難度が高めの問題集をこなし、基本事項の徹底を図ろう。
  2. 『赤本』、『東北大の物理15カ年』(教学社)、入試問題集などに取り組み、応用力や思考力を養う。

point!

  • いたずらに数をこなすのではなく、「計算結果のもつ意味を考えてみる」「グラフ化する」「別の方法で多角的に考える」…など、一歩踏み込んで掘り下げる積極的な勉強が必要。
  • また、計算問題は考え方や計算の過程を示す記述式であり、選択問題であっても考え方や計算の過程の記述が求められる。これにあわせて、要点を的確に表現するような問題練習が必要である。筋道立てた答案作成力の養成は、受験のためだけではなく、大学で学ぶ際にも求められることであるから定着させておきたい。

③計算力の養成

  • 頻出の近似計算は慣れが必要。教科書の計算例(単振り子、ヤングの実験、ニュートンリングなど)や「赤本」の過去の問題などで、慣れておくことが大切。

④グラフの読解と描図対策

  • グラフの読解は、教科書にあるグラフや日常的に見かけるグラフで、その意味を考える習慣をつける。
  • 描図問題は、問題集や参考書に当たり、実際に自分で描いてみることで、ポイントをつかみ、理解を深める。

【化学】

傾向

理論は化学平衡、無機は総合的出題に注意

有機は構造決定問題はやや難

出題形式 大問3題
試験時間 理科2科目で150分
解答形式 記述式・選択式の設問のほか、計算問題や論述問題(20~60字)

出題範囲

  • 化学基礎・化学
  • 理論・無機・有機全般にわたり、高校化学の習得度をみる問題と思考力を試す標準〜応用問題からなる。

頻出項目

  • 理論:すべての分野を網羅し、無機・有機との関連が重視されている。
  • 結晶格子、気体理論(蒸気圧を含む)、中和・pH、熱化学、酸化還元、電気分解、化学平衡(電離定数・緩衡溶液などを含む)は計算を含んだ出題。
  • 無機:気体の製法・性質、金属・金属化合物、イオン反応の中からテーマを設定し、理論と組み合わせて出題されることが多い。
  • 有機:脂肪族・芳香族化合物の反応・性質をベースに、反応生成物の構造、異性体、有機化合物の構造決定問題がよく出題されている。天然・合成高分子化合物は、構造の特徴と性質、生成反応、酵素などが中心。例年、構造決定問題は、かなりの知識量と考察力が求められる。

難易度

  • 基本〜標準的な問題に、やや難度の高い設問が含まれている。
  • 有機の構造決定問題に難度が高いものが含まれることが多いので、この種の問題に慣れていないとやや難しく感じるだろう。有機分野に時間をかけすぎないように注意して取り組みたい。

対策

①理論分野:重要事項のまとめと徹底理解と計算過程の記述

  • 重要項目をまとめ、標準問題を中心に完全マスターをめざし、実戦的な演習を積んでおく。 
    • 原子の構造・化学結合・結晶格子、物質量・モル濃度、
    • 気体の理論(混合気体、蒸気圧を含む)、溶液の理論(希薄溶液を含む)
    • 酸・塩基・塩、中和・pH、熱化学、酸化還元、電気化学、反応速度、
    • 化学平衡(電離定数・緩衝溶液を含む)など。

※太字項目に関連する問題は頻出

  • 計算問題が必出。導出過程の記述が要求されるものもあるので、与えられた解答用紙の枠内に計算式を正しく立て、正確に速く計算する力を身につけよう。

②無機分野:教科書中心に基本事項の整理と完全マスター

  • 気体の製法・性質、識別法、金属とその化合物、イオン反応、検出法、イオン分析についてまとめ、いろいろな化学反応を整理するとともに演習問題により総合力を養う。
  • 環境問題にかかわるテーマ(窒素酸化物や硫黄酸化物などの酸性雨に関連する物質、二酸化酸素などの地球温暖化の原因物質やオゾンなど)は今後も取りあげられる可能性が高い。

③有機分野:構造決定問題対策と天然・合成高分子化合物の基礎知識の整理

  • 脂肪族・芳香族化合物の基礎的な構造・性質・反応、官能基の特性・検出法、化合物の関係を体系的にまとめる。
    • この知識を応用できる力を養うことが必要。今後も難度が高い構造決定問題が出題される可能性が高いので、問題演習により実戦的なトレーニングを数多く積む必要がある。

☞オススメ参考書『東北大の化学15カ年』(教学社)

  • 天然有機化合物では、主要な単糖・二糖・α-アミノ酸、多糖・タンパク質。酵素の構造・性質に関する基礎知識を整理する。
  • 合成高分子化合物では、主要なモノマーとポリマーの構造・特性および重合反応に関する基礎知識を整理する。

【生物】

傾向

実験・考察問題重視の傾向 知識論述問題も多数出題、論述力の強化を

出題形式 大問3題
試験時間 理科2科目で150分
解答形式 知識問題(リード文の空所補充など)、論述問題(短めの記述や指定行数の多い)、計算問題、本格的な実験考察問題など多様

出題範囲

  • 生物基礎・生物
    • 1つのテーマで複数の分野にまたがる内容を問うものが多い。
    • 代謝、遺伝情報、生殖・発生、体内環境が頻出。
    • 教科書に載っていないような実験を題材にした問題がよく出題される。
    • 実験・考察問題重視の傾向が強く、基礎知識を軸とした応用的問題が多く出題されている。

頻出分野

① 動物の反応

  • 基本的な知識問題(ニューロンや神経に関する)や比較的易しい考察問題が多い。

② 体内環境、代謝

  • 高校では深く学習しないような実験の考察問題や踏みこんだ内容が問われることもある。
  • 高校で学習した知識を応用し、推理していく高い思考力を求められる。

③ 生殖・発生、これらに関するバイオテクノロジー

  • 器官形成に関わる遺伝子の発現調節、誘導に関する実験や組織培養、ABCモデルなど幅広く出題。
  •  過去繰り返し出題されているのが
    • アフリカツメガエルの核移植実験に関する問題
    • ES細胞を用いたノックアウトマウス作成に関する問題

要注意分野

① 遺伝情報

  • 遺伝情報とその発現に関する知識を前提とする考察問題
    • 遺伝子突然変異、オペロン説、スプライシング、遺伝子の選択的発現
    • 調節タンパク質、ホメオティック遺伝子、バイオテクノロジーなど
  • やや発展的な知識を要求する問題も多くみられる
    • 遺伝子の修復、アポトーシスのしくみなど

② 進化・系統

  • 教科書の知識をそのまま覚えるのではなく、知識を応用して論述できる力を養う。
  • 計算の訓練を積んでおく。(過去に遺伝子頻度の変化を扱った問題も出題)

③ 細胞

  • 独立した大問で出されることはまれ。
  • 他分野と融合されて問いに含まれる場合がある。
  • 細胞の分化のしくみ、細胞接着、細胞小器官のはたらきなど

難易度

  • 思考力・理解力や、やや専門的な知識を必要とする問題と標準的な問題とがバランスよく出題されている。
  • 発展的な内容を含むリード文や設問の意図を正しくとらえる理解力と、標準的な知識をもとに筋道を立てて考えられる考察力、計算力の有無で差がつくだろう。
  • 論述問題や計算問題に時間をかけすぎないように、時間配分に注意して取り組みたい。

対策

① 論述の練習

  • 初めに文章の構成を考え、字数制限のない場合は解答欄の大きさからおおよその量を決め、できるだけ簡潔な文章にする。
  • 設問に沿った文章にすること。
  • 1つの文が長すぎると、途中で主語が変わったり、内容が分かりにくくなるので、短い簡潔な文に箇条書きにしてからまとめるとよい。
  • 解答を先生に添削してもらうのも良い。
  • 一般に、解答欄に収まりきらないほどの長文は設問の要求に外れていることが多い。

② 実験・考察問題対策

  • 実験結果の資料(グラフ・表)について考察する問題が多いので、問題集などでできるだけ多く当たっておくこと。

☞オススメ参考書『生物 新・考える問題100選』(駿台文庫)

  • 近い難易度の実験・考察問題がよく出題される他大学(名古屋大学・大阪大学など)の過去問を解くのも有効。
  • 教科書や参考書に載っている典型的なグラフや模式図は自分で描けるようにしておく。

③頻出分野の重点学習と過去問の研究

  • 【頻出分野】および【要注意分野】は十分に学習しておくこと。
  • 標準的な問題集を1冊こなし、後期日程も含め過去問解けるだけ解く。
  • わからないところや間違ったところはその都度詳しい参考書や資料集で確認する。
  • 関連のある内容が、連続して、あるいは何年かのちに出題されることがあり、後期日程の問題に類題がみられることもある。
    • 過去問研究の効用はきわめて高いと考えられる。

③ 時事的な問題への対策

  • 時事的な内容やバイオテクノロジー関係の問題が出題されることもある。インターネットなどのメディアを活用して、最先端の研究についても、知識を概念的に理解しておくことも大切。

例)マダニによる細菌の媒介(2022年)

がん細胞のアポトーシスに関する設問(2023年)

【地学】

傾向

論述問題が主体、計算問題も要注意

出題形式 大問5題(各大問は3~6程度の小問で構成)
試験時間 理科2科目で150分
解答形式 論述問題(論述量は字数ではなく行数で指定。年度により、使用語句を指定したり、現象名を選んで論述するという形式がみられる)

計算問題(宇宙分野での出題が多い)、描図問題など

出題範囲

  • 地学基礎・地学
    • 宇宙分野からは必ず出題されているのが特色。
    • 次に、地球分野。他に鉱物・岩石分野・地質分野・地史分野・大気分野などだが、全分野学習しておく必要がある。

難易度

  • 全体的には基礎・基本を重視した出題が多く、教科書レベルを超える難問は、ほとんど見られない。
  • 時間配分を考え、要領よく確実に得点できるところから手をつけること。
  • ケアレスミスをなくすことが最重要課題。

対策

① 基礎知識の充実

  • 記述・選択式の問題には特に基礎的なものが多いので、各分野において、地学図表などを最大限に活用し、教科書から得た知識を確実なものにして、基本問題でミスをおかさない力を蓄えておくこと。

② 論述対策、基礎知識を充実させたら、次は論理を身につける。

  • できるだけ早い時期に、宇宙、地球、地史などに関するものを一般向けの図書で良いので一読し、論理の展開方法を吸収しておきたい。
  • 必ず自分の力で仮説・推論・検証・考察の過程をいくつか踏んでおくこと。

③ 計算練習

  • 計算問題には、技術的な慣れがものをいう場合が多い。
  • 数式の処理や数値の取り扱い(近似計算や有効数字、指数)については十分に練習しておきたい。

④出題項目と学習のpoint!

  • 宇宙:全般について、最新の話題にも目を向けておきたい
    • 太陽を含む恒星の物理的諸量とその意味・応用法、各種の法則、恒星の進化などについて一般的理解+計算法、読図、描図法についても習熟しておく。
    • 太陽系の惑星の性質・特徴、ケプラーの法則についても要注意。
  • 地球 : 宇宙分野と同様の学習が必要
    • 地震・津波・火山活動など、自然災害に絡むもの(社会的影響も非常に大きく、一般にも注目度が高い)
    • 地球物理学的知識と論理 
  • 鉱物・岩石、地史、地質
    • 代表的な鉱物・岩石について、その成因・組成・構造・物理的性質についてしっかりまとめておく。
    • マグマの分化や火山、地質、地球内部構造との関連についても注意。
    • 地球史全般や日本列島の地質構造も含め、これらの分野は覚えておくべき項目が多いので早い時期からの整理が大切。
  • 大気、海洋
    • 地球環境問題に最も深い分野でもあるので、最近の話題も含めて、ひととおり理解しておくこと。
    • 大気や海洋の構造、気象などの各分野だけでなく、大気と海洋の相互作用など、複数分野を含めた幅広い見方・学習も必要。

【国語】

傾向

字数制限つきで簡潔に説明する設問が主体

出題形式 4題(現代文2題・古文1題・漢文1題) 
試験時間 150分(2020年度までは120分)
解答形式 全問記述式(制限字数が示されているものが多い)

出題内容

  • 現代文〔1〕
    • <本文>例年、評論から出題。テーマは哲学・社会・政治・経済・言語・文学・文化など多彩。また、理系の話題をベースに文化論や芸術論が出題されることもある。
    • <設問>書き取りと字数制限つきの内容説明の計5問で構成。
  • 現代文〔2〕
    • <本文>例年、小説もしくは随筆から出題。
    • <設問>語意と字数制限つきの内容説明の計5題で構成。
  • 古文
    • <本文>さまざまなジャンル・時代の作品から出題。
    • <設問>口語訳。内容説明。
  • 漢文
    • <本文>比較的珍しい文章からの出題が続いている。例年の傾向としては思想関係の出典が多い。
    • <設問>読みや句形・語法。書き下し文。内容説明問題。

難易度

  • 現代文:2021年度以降、試験時間が長くなった分、より難度が高くなっている。読解・記述ともに十分な訓練を必要とするレベル。
  • 古文・漢文:難度は、国公立大学でも高いレベル。
  • 全大問にわたって字数制限付きの記述問題が中心であるから、必然的に的を射た記述力が要求される。時間配分としては、特に現代文の解答に時間がかかると思われるので、古文・漢文を先に仕上げ、現代文2題にできるだけ多くの時間をあてたい。

対策

現代文

①評論

  • 幅広いジャンルに慣れておくことが大切である。
  • 評論読解の際には、的確な読解に基づいた『段落分け』を怠らないようにする。大段落にまとめていくことで文章の構造とその働きが見えてくる。
  • その上でテーマを20字から30字くらいでまとめてみて、さらに50字、75字、90字などの要約を作る。
    • 常に圧縮して最少字数で表現する習慣をつける。
  • 過去問演習が有効。文章レベルや設問の形式・字数等の類似した(できればやや上位の)大学の過去問も含め、十分に練習を積んでおく。

②小説(随筆)

  • 登場人物の意思・行為・環境から風景描写まで、必ず筆者の意図が反映されるので、どんな小さなヒントからでもその意図が読み取れるよう日頃から訓練を積んでおく。
  • 特殊な比喩は必ず簡単な表現に改めて読むこと。
  • 記述の字数制限は設問意図に基づいた要素の数を示すヒントである。

③書き取り・語意

  • 書き取りはスタンダードな出題が続いている。受験用の漢字問題集などを活用。
  • 語意は前後の文脈をふまえた『意味のアレンジ』が求められる場合もあるので、辞書引き等で基本的な語彙を増やしておく。

古文

①単語・基礎的文法:共通テスト対策の段階で、すでに克服されていなければならない。

  • 単語:市販の単語集や単語カードを作成して語彙を増やす。その際に、例文も読んで、本文中での的確な訳を心がける。
  • 文法:読解のために必要なものとして学習する。助動詞を中心とした識別問題などは、単純に選択式の問題として消化していくのではなく、必ず口語訳することを念頭に置いて学習に取り組む。

②読解力:偏りなく広く古典に親しんでおくことが大切

  • 『体系古文』(教学社)などを利用してさまざまな問題に取り組む。
  • 文学史は近年は出題されないが、基礎的なことだけでよいので主要な事項を覚えておくこと。
  • 国語便覧などで物語や日記などの主立った作品について、概要を押さえておく。

③表現力

  • 設問が要求している内容を的確に読み取り、制限字数内あるいは解答欄に収まるように答案に表現しなければならない。
  • 東北大学は、この点、高度な表現を要求してくるといえるので、過去問演習の際には、特に心掛けておきたい。

漢文

①句形の習熟

  • 重要句形や重要語法などの基本事項は、共通テスト対策としても要求されるのでしっかり押さえておく必要がある。
  • 時間の許す限り数多くの文章を見みこなし、漢文に慣れておくこと。
    • 慣れてきたら返り点だけでふりがな・送りがなのないものを読み、次に白文を読むというように、徐々にレベルアップしていく。
  • 文中で意味のはっきりしない語を見つけたら、こまめに漢和辞典を引く習慣をつけておく。

②書き下し文

  • 書き下し文を求める傍線部では訓点が省かれているので、返り点や送りがながない白文を読解する演習に力を入れておきたい。

③表現力

  • 古文と同様に漢文においても字数制限つき内容説明問題が出題されている。要点を端的にまとめて説明する表現力を身につけることが不可欠である。

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