![千葉大学の入試問題の出題傾向を徹底分析! とるべき対策や勉強方法がわかる!](https://akahon.net/blog_thumbnail/82/千葉大学.png)
傾向と対策(前期日程)
2023年度までの前期日程の入試問題を分析しました。さらに詳しい最新の分析は「大学赤本シリーズ」をご覧ください。
【目次】
【英語】
傾向
読解力と記述力が必要
文法・語彙力を高め、多様な出題に対応を
出題形式 | 3題(長文読解問題2題、文法・語彙または英作文問題1題) |
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試験時間 | 試験時間は80分
※教育学部英語教育コースは、さらにライティングも課されており、大問1題で試験時間は50分。設問文は英文となっている。 |
解答形式 | 記述式中心 |
出題内容
長文読解問題
- テーマは自然科学分野や人文・社会科学分野の論説文のほか、エッセー風のものも見られる。抽象的内容や専門的内容が含まれていることも多く、論旨や状況を押さえて丁寧に読むことが要求される。
- 設問形式は内容説明、英文和訳を中心に、年度によっては書き換え、要約文の完成、内容真偽、段落指摘などを含む多様な形式。
- 難度が高く、合否に影響するのは、記述式の内容説明。
読解問題以外の大問 ※年度により出題方法が異なっている。
- 短文の書き換えと会話文の空所補充問題(2020・2023年)
- 英文中の空所に語句や文を補充して物語を完成させる問題(2021年)
※いずれも空所に指定の単語を含めた指定の語数で英語表現を補充する形式。
ライティング ※教育学部英語教育コースのみ
- 与えられたトピックについて250語程度の英文を書くことが求められる出題。
- 「対面コミュニケーションは電子メールやSNSに勝るか」
- 「学級担任制か教科担任制か」
- 「習熟度別クラスにするべきか否か」
- 「大学入試のための勉強は英語力の向上につながるか否か」…など
難易度
- 長文読解問題は、標準的で取り組みやすい出題であるが、語彙・構文の一部にレベルの高いものがみられる。
- 総語数は決して少なくなく、設問はほとんど記述式なので、多少難しく感じる受験生もいるであろう。2題ある読解問題はともに800〜1000語程度だが、1題あたり30分を目標に解答するとよい。全体の論理展開や前後関係を把握する英語読解力と、適切な日本語で解答をまとめる日本語記述力が求められている。
対策
①長文読解力の養成
- 長文を読み慣れないうちは、まず短い英文を使って、文構造を丁寧に分析する精読から始める。
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- 語彙力・構文力の基礎を身につけた上で、論説文を中心に、エッセーや物語も含め、さまざまなジャンルの英文を読むようにする。
- 1つの長文の中でも、理解しやすい箇所は速読的な読み方を、難解な箇所は文構造や指示語など細かい点に注意を払う精読的な読み方を、というように工夫して、読解練習を数多く積むことが必要。
②記述問題に慣れる…読解問題では内容説明への対策が不可欠!
- 過去問や記述式模擬試験などを利用して数をこなし、限られた時間内に、適切な分量でポイントを押さえて解答できるようにする。
③基本的な文法・語彙力の強化に努める。
- 文法・熟語・語彙力に関係する書き換えや空所補充、語句整序のほか、過去には語形変化なども出題されている。
④英作文問題
- 普段から英文を読む際にも理解だけで終わらせず、自然な英語の表現が頭の中にとどまり、自分でも使えるよう、意識して音読などの学習を取り入れる。
⑤ライティング対策…教育学部英語教育コースで出題
- TEAPやGTECのライティング問題集などを利用して、段落構成のはっきりした英文を書く練習をする。
- 教育関係のテーマが取り上げられることが多いので、その分野の文章を多く読むよう心がける。
- 今後、他の形式が出題されても対応できるように、普段からさまざまなジャンルの多くの英文を読んだり聞いたりし、実際に自分でもできるだけ多くの英語を書いたり話したりする。
- 意見論述対策として、日頃からものごとをメリット・デメリットの両面から見るよう心がけておく。
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【数学(理系)】
傾向
標準問題だが、思考力・計算力が必要
出題形式 | 問題の冊子が1冊与えられ、各学部・学科等について解答すべき問題が示されている。 |
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試験時間 | 理(数学・情報数理)180分、教育(中学校ー数学科)150分、理(数学・情報数理を除く)・工・園芸(食料資源経済を除く)・医・薬120分 |
解答形式 | 全問記述式 |
出題範囲
- 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B(数列、ベクトル)
出題内容
- 各学部・学科とも、出題範囲から幅広く出題されているが、微・積分法からの出題が目立つ。
- 全体的に確率の出題頻度が高く、数列、ベクトル、複素数平面なども頻出。
- 整数問題の出題が比較的多いことも特徴で、難問が出題されることもあるので注意しておきたい分野である。
難易度
- 大部分が標準的なレベルの問題
- ただし、公式・定理をただ単にあてはめれば解けるレベルではない。中には、複雑な計算、高度な思考力、図形的な洞察力を要する問題が含まれ、証明問題も出題されるので、普段の着実な学習が必要である。各大問の難易を見きわめられる力をつけ、時間配分に注意したい。
対策
①基本事項のマスター
- 全体としてみれば、標準的な問題が多いので、教科書や標準的な問題集で基本事項をしっかりと身につけておくことが第一。
- 公式や定理はただ覚えていればよいというものではなく、完全に身につけて自由に使いこなせるようにしておく。
② 計算力の強化
- かなり複雑な計算を必要とする問題も出題されるので、普段から手間のかかる計算を最後までやり抜く粘り強さを養い、確かな計算技術の習得に努める。
③ 答案作成の練習…全問記述式である。
- 筋道のはっきりした、簡潔な答案を書かなければならない。
- きちんと場合分けをして整理する記述力が必要。
- ただ単に数式を羅列するのではなく、適切な接続詞を補いながら答案を書くよう心がける。
【数学(文系)】
傾向
思考力・計算力をみる標準的な問題
出題形式 | 他学部と共通の問題冊子が1冊与えられ、その中から解答すべき問題が指定されているので注意が必要。解答する大問は3題。 |
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試験時間 | 2020年度以降は80分 |
解答形式 | 全問記述式 |
出題範囲
- 数学Ⅰ・Ⅱ・A・B(数列、ベクトル)
出題内容
- 出題範囲からまんべんなく出題されているが、微・積分法、数列、確率からの出題が目立つ。
難易度
- 基礎学力を身につけているかどうかを試す標準レベルの問題が大半。
- ただし、計算量の多い問題、内容を理解した上で的確な処理方法を思いつかなければならない問題も含まれている。各大問の難易を見きわめて、時間配分に注意して取り組みたい。
対策
①基本事項のマスター
- 全体的には比較的素直で取り組みやすい問題が多い。教科書や標準的な問題集で基本事項をマスターすれば、十分に合格ラインに到達することが可能。
- 公式や定理を自由に使いこなせるようにするためには、十分な演習量が必要。
②計算力の強化
- 符号ミスなどの単純ミスを克服するとともに、手間のかかる計算を最後までやり抜く粘り強さを養い、確かな計算技術の習得に努める。
③答案作成の練習:全問記述式
- 筋道のはっきりした、簡潔な答案を書かなければならない。
- ただ単に数式を羅列するのではなく、適切な接続詞を補いながら答案を書くよう心がける。
- 計算ミスを防ぎ、理解力を高めていく上でも大切である。
【物理】
傾向
力学・電磁気必出の標準問題 描図問題にも注意を
出題形式 | 大問数6題の中からそれぞれの学部・学科ごとに解答すべき3,4題が指定される形となっている。 |
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試験時間 | 理(物理)2科目150分(物理100分相当)、国際教養80分、工(建築学・機械工学・電気電子工学・情報工学)2科目130分(物理80分相当)、教育(中学校ー理科)・理(地球科)・工(都市工学・デザイン・医工学・物質科学・共生応用化学)・園芸・医・薬・看護2科目100分(1科目50分相当)、教育(中学校ー数学科・技術科、養護教諭)・理(数学・情報数理)50分、理(化・生物)2科目150分(物理50分相当) |
解答形式 | 計算問題が主流で、解答は結果のみを記入する。また、描図問題も出題されている。過去には論述問題が出題されたこともある。 |
※2023年度の試験時間・大問数
出題範囲
- 物理基礎・物理
出題内容
- 学部・学科等ごとに指定された問題は、力学・電磁気(原子を含む)・熱力学・波動からバランスよく出題されている。
難易度
- 教科書や問題集にみられるような、標準的なものが大部分。
対策
①教科書を中心に基本事項の学習を
- 予習・復習を含めて授業を大切にし、教科書の内容を反復学習する。
- 基本的な法則や公式を確実に記憶し、さらにそれらの導き方や、他の法則との関係も正しく把握しておくことが大切。
- 物理用語の定義を正しく押さえておくとともに、誤りなく使用できるようにする。
- 教科書の用例を参考にして練習する。
②理解を深める問題演習を
- 教科書は、本文の熟読だけにとどまらず、用例や章末問題などの演習によって、理解をより深める。
- 定評のある受験問題集などで演習することで、計算力を高めるとともに、応用力をつける。
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- 高度な練習問題に挑戦している場合でも、常に物理の基本事項がどのように関係しているかに注意を払うことが大切である。
③描図問題・論述問題対策
- 描図問題:頻出なので、正しく図示できるよう、日頃から実際に手を動かす学習を心がける。
- 論述問題:平素から文章を書き慣れていることが大切である。考えの要点を見極め、適切な用語(キーワード)を見出し、それを中心に記述していくと、論旨がはっきりする。
【化学】
傾向
計算過程の記述と論述に注意 幅広く確実な基礎力が重要
出題形式 | 大問4題から指定された3,4題を解答する形式 |
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試験時間 | 理(化)2科目150分(化学100分相当)、国際教養80分、医・薬2科目100分(1科目50分相当)、教育(中学校ー理科)・理(地球科)・工(都市工学・デザイン・医工学・物質科学・共生応用化学)・園芸・看護2科目100分(1科目50分相当)、教育(中学校ー数学科・技術科、養護教諭)・理(数学・情報数理)50分、理(物理・生物)2科目150分(化学50分相当)、工(建築学・機械工学・電気電子工学・情報工学)2科目130分(化学50分相当) |
解答形式 | 各大問は文章の空所補充と記述形式を組み合わせた総合問題。字数制限付きの論述問題が例年出題されている。計算問題が多く、有効数字を指定して解答欄に計算過程まで書かせる設問や、さらに考え方を求めるものもある。 |
※2023年度の試験時間・大問数
出題範囲
- 化学基礎・化学
出題内容
理論分野
- 熱化学や酸・塩基、酸化還元、電池・電気分解、結晶格子や気体の性質、溶液の性質、反応速度と化学平衡などの全分野からまんべんなく出題される。
- いずれも計算問題だけでなく、論述問題も含めて出題されている。
無機分野
- 気体の製法や金属の性質などが理論と組み合わせて出題されることが多い。
有機分野
- 脂肪族・芳香族化合物がまんべんなく出題される。
- 構造決定の内容もよく出題される。
- 天然・合成高分子分野の大問もよく出題されている。
難易度
- 学部・学科等によって解答する大問数、試験時間が違い、大問の難易度にも差があるので、学部・学科による難易度の差が目立つ。
- 教科書レベルの標準的な内容でも問題量が多く、細かな知識や思考力が必要な内容も含まれるので、論述問題や計算問題への対応で大きな差がつきやすい。
- また、数問出題される、教科書の発展内容からの問題は難度が高く、ここでも差がつく。しかし、全体的には標準レベルの問題が多く出題される傾向があるので、時間配分に注意して、できる問題から取り組みたい。
対策
①理論
- 理論の全分野から出題されているので、苦手分野のないように準備しておく。
- 理論の理解と問題演習で、基礎的な得点力を固めることから始める。
- よく出題される無機分野との融合問題も、十分な無機の知識を身につけた上で対応できるようにする。
- 解答に計算過程が要求されることもあるので、日頃から意識して演習しておく。
②無機
- 無機分野単独ではなく、気体発生反応や金属の反応、酸・塩基、酸化還元反応、電気分解などの計算問題と組み合わせて出題されることが多い。
- 教科書レベルの化学式や化学反応式を正確に書けるようになることから始める。
- 無機物質の性質は周期表の族や周期の理論をもとにまとめると整理しやすい。
- 気体の製法、金属イオンの反応、工業的製法などのテーマに分けて系統的に覚えていく。
- 工業的製法や環境問題などに関する知識が深まれば、応用的な論述問題への対応もできるようになる。
③有機
- 指定設問の半分以上が有機分野という学部・学科もあり、全体の得点への影響が大きい。
- 脂肪族・芳香族化合物ともに、教科書レベルの化学式や構造式、化合物の反応過程などを系統的に整理する。
- 元素分析と構造決定は頻出、有機分野全般にわたる総合的な知識と異性体などの考察力が必要な内容も含まれるので確実に演習しておく。
- 天然・合成高分子化合物については幅広い知識が必要で、応用力や考察力を要求される設問が目立つ。
- 他に、教科書で発展的な内容とされている置換基の配向性に関する問題や、マルコフニコフ則、酸性染料・塩基性染料についての問題などが出題されている。
④実験と論述
- 身近な現象と化学理論の関係、物質の性質や反応と化学理論、実験装置や結果の意味などに関する論述演習に地道に取り組み、必要な化学用語を正確に使って自分で文章を書く演習を積む。
【生物】
傾向
実験考察を含む標準レベルの問題
字数の多い論述問題がポイント
出題形式 | 大問5題の中から学部・学科によって指定された問題を解答する形式。 |
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試験時間 | 理(生物)2科目150分(生物100分相当)、国際教養80分、教育(中学校―理科)・理(地球科)・園芸・医・薬・看護2科目100分(1科目50分相当)、教育(中学校ー数学科・技術科、養護教諭)・理(数学・情報数理)50分、理(化)2科目150分(生物50分相当) |
解答形式 | 論述問題が多く、20〜200字の字数制限があるものが出題されている。また、計算問題や描図問題なども出題されている。 |
※2023年度の試験時間・大問数
出題範囲
- 生物基礎・生物
出題内容
- 例年、出題範囲全体から幅広く出題されているが、特に遺伝情報、生殖・発生、進化・系統、生態からよく出題されている。
- 2つの分野にまたがって出題されることも多い。
- 実験考察型の問題も例年出題されている。
難易度
- 高校の授業の範囲で答えられる標準的な問題が中心。用語などの知識問題、計算問題、論述問題、実験考察問題などがバランスよく出題され、総合的な力が試される。
- 論述問題は教科書レベルの知識や理解を問うものと、与えられたデータから考える思考力型、実験考察型のものがともに出題されている。論述問題の出題数が多く、制限字数の多いものや、使用する語句が指定されているものも出題されているので、必要な用語を用いて時間内に的確にまとめる論述力を身につけておかなければならない。
対策
①教科書を丁寧にまんべんなく学習する。
- 太字で載っている生物学用語を正確に覚えるとともに、一つ一つの用語を文章で説明する練習をする。
- 教科書にある重要な図や実験にはよく目を通し、実験については実験の目的・実験材料・方法・結果などをノートにまとめ、自分で説明できるようにする。
- 教科書だけでなく図説も使って、参考や発展で扱われている事項を押さえておく。
②標準レベルの問題で知識の定着を確認し、自分の弱点を把握しよう。
- 問題を解いたら解答・解説を確認するだけでなく、教科書や資料集の関連個所を確認してポイントをチェックしたり、ノートに整理したりする。
- 実験考察問題では、仮説の立案や検証に関する問題が出されることもある。
- 入試問題集などで実験問題の演習をしておく。
③論述問題対策
- 教科書レベルの知識や理解を問うタイプの論述問題
- 対策①で述べた対策と、標準レベルの問題集で練習を行う。
- 実験考察型・思考力型の論述問題
- 過去問と他大学の入試問題などを活用して練習する。
★練習のPoint!
- 書き出す前に要点を箇条書きする。
- 必要な生物学用語を書き出し、文章のキーワードとして組み入れる。
- 20〜50字、100〜200字前後の論述の字数感覚を身につける。
- 過去問を解いてみる。
★論述を苦手とする受験生は多いが、慣れれば苦にならないものである。
過去問を解くことは練習にもなり、出題傾向が分かると同時に安心感と自信につながるので、必ずやっておこう。
【地学】
傾向
基本的な理解力・応用力をみる問題 図や表を利用した問題頻出
出題形式 | 大問3題 |
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試験時間 | 教育(中学校ー理科)・理(地球科)2科目100分(1科目50分相当)、教育(中学校ー数学科・技術科、養護教諭)・理(数学・情報数理)50分、理(化)2科目150分(地学50分相当) |
解答形式 | 例年、論述と描図問題が中心。問題文中に図や表などが提示され、その解釈を問う形式の問題が多い。論述問題の字数・量については、30〜100字程度。字数指定のないものもある。分野を問わず、計算問題もよく出題されている。 |
※2023年度の試験時間
出題範囲
- 地学基礎・地学
出題内容
- 近年は、地球、岩石、地質からの出題が主で、ときどき大気や地史からの出題もある。
- 出題範囲は全分野と指定されており、宇宙の内容が他分野に関連して出題されたこともある。
- 頻出分野に重点をおきつつも、他分野を疎かにしないようにする。
難易度
- 全体としては、高校地学の基礎・基本を重視した内容。
- しかし例年、論述問題が多く、描図・計算問題も出題されているので、総合的・本質的な理解力と思考力、応用力が必要となる。特に、地質図やルートマップの読み書きは、十分な練習が必要である。時間配分に注意して取り組むようにしたい。
対策
①受験に際し最も重要となるのは基礎知識の充実
- 単に語句・公式・法則をたくさん暗記するのではなく、それぞれの関連性や相違点、探究方法などにも十分配慮する。
- 日頃から地学図表などに目を通し、実際に自分の手を動かして実習・演習を行う。
②描図問題・論述問題対策
- 描図問題:過去問を中心に各種グラフや、地質図の作成などは必ず練習しておく。
- 頭の中で描くのと実際に手を動かして紙面上に描くのとでは大違いである。
- 論述問題:教科書を中心に、科学雑誌や地学関連の一般教養書、NHKスペシャルなどの特集番組に多く接しておくと、論理の組み立て方などが参考になって大いに役立つ。
③頻出分野の重点学習
- 岩石・鉱物
- 造岩鉱物・火成岩については、偏光顕微鏡や、化学的事項まで含めて深く出題される。
- 堆積岩では、風化作用や地形との関連まで含めて学習する。
- 変成岩も頻出。資源や鉱床についてもひと通りの知識をもっておく。
- 地質分野、地球分野にも密接な関連があるので、学習が断片的にならないように注意する。
- 地質・地史
- 河川のはたらき、地層の形成まで含め広く出題される。
- 地質図関係の演習(読図と解釈、描図)はできるだけ時間をとって行う。
- 地史は、地球誕生の初期や、新生代第四期の変動には特に注意しながら、体系的に知識を増やしておく。
- 日本列島の歴史についても基礎的な理解は必須である。
- 地球
- プレートテクトニクスは地震・火山など自然災害とも関連した重要な内容であるので、突っ込んだ学習をしておく。
- 計算問題も多い分野なので、数式の扱いに慣れておく。
- 重力や熱、地磁気など地球物理学的内容も出題されやすい。
- 大気・海洋
- 地史と関連の深い分野であり、地球環境や自然災害などの内容も含んでいるので、断片的な知識の暗記ではなく、広い視野で地球を考えていく力を養う。
- 大気・海洋現象に関わる各項目とも、そのしくみを論理的に理解しておく必要がある。
- 宇宙
- 出題頻度は少ないが、惑星の一員としての地球という見方が必要であり、太陽系を中心に基本はしっかりと押さえておく。
【日本史】
傾向
50~300字程度の論述問題中心 史料問題が必出
出題形式 | 大問3題 |
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試験時間 | 80分 |
解答形式 | 記述法と論述法が中心。論述法は字数制限のあるものが中心。2020〜2022年度は計650〜800字程度、2023年度は計1010字の他に、字数制限のない論述問題が1問と多めであった。使用語句が指定され、「最初に用いた箇所には下線を付すこと」など指示された問題もある。 |
出題の特徴
◆時代別
- 年度によりばらつきがあるが、数年を通してみると、原始から現代までまんべんなく出題されている。
◆分野別
- 複数年度でみると、政治史をはじめ対外関係史・社会経済史・文化史まで幅広く出題されている。
- 論述問題が中心であることをふまえれば、時代や分野のまたがる歴史事項について、空白をつくらない学習が必要。
◆史料問題
- 毎年出題されている。
- 受験生が初見であると思われる史料もあり、基本史料もふくめて解答のためには史料読解力が必要。
- 以前は表や図の読解を求める問題も多く見られた。
難易度
- 記述問題は基本的な知識で十分に解答できる問題が多い。
- 論述問題は字数制限のあるものが中心になっており、推敲に時間が取られるだろう。何を書いたらよいか悩むような問題は近年みられないが、史料の記述内容をふまえた論述を求めたり、「自由に述べなさい」というものもあったりするので、過去問対策は十分に講じておきたい。
対策
①教科書を中心に、暗記よりも理解を優先した学習を徹底する。
- 歴史用語は教科書にある文章の中で押さえるようにする。
- 教科書を読むときは、単元やテーマを定めて、目標を設定して読み進めるようにする。
- 「古墳時代」「鎖国」など、どのような時代・分野を読み進めているのかを意識する。
- 読み終えたあと、そこに記されていたことを箇条書きにしてみる。
- 常にアウトプットを意識した学習法を定着させる。
- 論述ノートを作成する。
- 「弘仁・貞観文化の特徴」や「国風文化の特徴」などを教科書から抽出してまとめ、それらを比較するといった作業を繰り返しておく。
② 史料問題対策:初見であろう史料が出題されることもある。
- 教科書にある基本史料に取り組む(注にも目を通す)
- やや分厚い史料集に取り組む(史料に関係する情報も把握する)
- 初見史料を扱った他大学の問題にも取り組む (国公立大学では、北海道大学、筑波大学、東京学芸大学、名古屋大学、東京都立大学など)
- 教科書については欄外の注・図版にも注意する。また、副教材である図録・図説集にもつねに目を通す習慣をつける。
③ 論述問題の対策:通史の学習と並行させて取り組もう。
- 問題の要求と条件を的確につかむ
- 問題の要求と条件から必要な情報を想起する
- 情報の取捨選択をする
- 文に論理性はあるか、時系列的に正しい文か、問題の要求に的確に対応した文になっているか、などを十分に吟味する。
- 過去問とともに他大学の問題にも取り組む
- 傾向が似ている他の国公立大学の過去問に取り組むことも効果的。
- 添削をしてもらう
- 自分では文の意味が通じていると思っていても、主語と述語がかみあっていなかったり、時系列が誤っていたりすることがある。
- まずは自分で答案を十分点検したうえで、先生や友人にみてもらうのも効果的である。
- 年度によって、論述問題の総字数が大きく増減していることにも留意しよう。
【世界史】
傾向
史料問題頻出 論述問題攻略を第一に
出題形式 | 例年、大問3題 |
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試験時間 | 80分 |
解答形式 | 記述法と論述法が中心 |
出題の特徴
◆時代別
- 大問が3題と少ないことから、年度によっては出題される時代に偏る場合がある。
- 近現代史は毎年必ず出題されているため、第二次世界大戦後の国際政治史も含めて対策が必要。
◆地域別
- 年度を通して見ると、アジアの各地域から平均的に出題しようとしている姿勢が見受けられる。
- 欧米地域では、ヨーロッパからの出題が多いが、アメリカからも出題されている。
◆分野別
- さまざまな分野を包含したスケールの大きいテーマが散見される。
- 歴史事象の経緯・意義・背景などを考察する問題が多く、歴史の構造的理解力が要求されている。
- 政治史が中心であるが、経済・社会・文化史からも頻出している。
- 近年は商業・交易関連やアジア・アフリカ・ラテンアメリカの植民地化に関連した出題が目立つ。
- 宗教関係史では、近年、イスラーム世界、宗教改革と三十年戦争などが出題されている。
難易度
- 記述問題はおおむね教科書レベルの知識で対応できるが、論述問題は詳しい知識と深い考察力を要求するハイレベルな設問が目立つ。
- 歴史事象の経緯(年代把握)だけでなく構造的理解力を試すものが多いことから、日頃から歴史事象を多角的な視点に立って理解する学習が欠かせない。記述問題を迅速に解き、論述問題にできるだけ多くの時間を割きたい。時間的余裕はあまりないと思われるので、バランスの良い時間配分を心がけたい。
対策
①教科書と参考書の併用学習を
- 論述問題は、内容的には教科書の知識を土台にして作問されており、基本的な知識とそれにもとづく歴史理解の力が試されている。
- まず教科書の内容の精読が基本。その際、歴史事象の因果関係や全体像などに配慮して、問題意識をもって学習する。
- 近現代史などでは詳細な知識も出題される。
- 参考書や用語集を併用して個々の歴史知識を細かく把握しておくことも大切。
- 経緯などが問われる場合には流れを正確に記すことが求められる。
- 年代中心の整理学習をやっておくと効果的である。
☞オススメ参考書『詳説 世界史研究』(山川出版社)/『チャート式シリーズ 新世界史』(数研出版)※歴史事象の因果関係に詳しい。
『世界史用語集』(山川出版社)
②本格的な論述対策を
★千葉大学の論述問題では次の3つが求められる。
- 歴史的経緯の正確な知識
- 歴史事象の深い考察
- 論理的な記述力
- 短い時間内に長文の答案を作成しなくてはならないので、要点を簡潔に記述する訓練を日頃から心がける。
- 論述問題には一定の傾向があるので、それを探求し、今後出題が予想されるテーマについて対策を講じておくとよい。
- グローバルな視点に立ちつつ歴史上の事件の経緯や因果関係、そして歴史的意義などを整理するようにする。
③資料問題への意識を高めよう。
- 史料問題が連続して出題されており、地図・視覚資料などを多角的に利用した問題も過去には見られたので、注意しておく。
- 史料文を踏まえた上での論述が求められており、年度によっては史料文の空所補充がある。
- 読解にやや時間がかかる場合が多く、読み違いをする可能性があるため、十分に史料文を読み込むためにも、歴史用語をできる限り多く、かつ深く理解しておくようにする。
- 視覚資料についても、教科書や資料集の図版・美術作品に日頃から注意して接するようにしておく。
- 日頃から世界史地図を活用する。
- 歴史上登場する都市や国家(王朝)、領土の返還などは必ず地理的位置とともに覚えておく。
- 経済史に関連した商品や交易の流れなどの知識も整理しておく。
【国語】
傾向
現代文・古文・漢文の3題構成 字数制限のない記述問題に注意
出題形式 | 3題(現代文1題、古文1題、漢文1題)
※2022年度までは教育学部が別問題であった。 |
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試験時間 | 80分 |
解答形式 | 記述式中心 |
出題の特徴
現代文
- 文化・社会系統の評論・随筆が取り上げられている。
- 設問は内容説明を中心に書き取り、読み、空所補充、箇所指摘などで構成。
古文
- 中古・中世の物語・説話系統の作品や近世の随筆や地誌など、ジャンルはさまざま。
- 文章は読みやすい標準的なもの。
- 設問は口語訳、内容説明など、古文の典型的な問題を中心に出題。
- 和歌も出題されており、やり取りから内容を説明させる問題はやや難。
漢文
- 思想、説話、随筆など、幅広い分野からの出題。
- 設問内容は書き下し文、口語訳、内容説明、主旨などの標準的な出題で、基本事項の確認が中心。
- 漢文は他の問題よりもやや比重が軽め(設問数も3問)、そういったことも考慮して時間配分を組み立てたい。
難易度
- 全体的には標準〜やや難レベル
- 時間的な制約が大きいので、過去問演習の際には時間配分の練習もしておこう。特に記述問題については、実際に答案を書いてみて、答案をまとめるのにかかる時間を体感しておこう。時間配分としては、現代文35分、古文25〜30分、漢文15〜20分が目安。
対策
①現代文
- 社会・文化・芸術・哲学といった幅広い分野の評論を中心とした問題集を解き慣れておく。
- 時間的な制約が大きいことには注意しておく。
- 主旨理解に関わる設問が多いので、主旨をすばやく理解し、その一方で部分部分は緻密に読むという読み方を習得しておきたい。
☞オススメ参考書『体系現代文』(教学社)※評論を選んで解く方法も効果的。
- 字数制限のない問題に対しては、設問の要求内容を正確に把握し、解答欄の大きさも考慮して過不足のない解答づくりを身につける。
- たとえば200字程度の文章を、100字・50字・25字と3段階に要約する練習をすると、内容に対して何が必要で、何が不要かの選択のポイントがつかめてくる。
- 漢字の読み・書き取りは基本を必ず押さえておくこと。
- 内容説明問題が難しい場合は、読み・書き取りの得点を落とさないことが大事。
② 古文・漢文
- 古文では、助動詞の識別や品詞分解、係り結び、和歌や俳諧の技法は確実にマスターし、記述説明型の文法にも慣れておく。
- 解答を導く際に古典常識が必要とされる設問もあるので、国語便覧で確認し、覚えておく。
- 記述型の問題集で読解力・表現力を養成する。特に和歌解釈は返歌との関連で読解することが求められ、難易度も高いため、力を入れておく。
- 漢文については、訓点、書き下し文、重要句形の理解が必須となる。四字熟語や漢文の慣用表現にも目を向けておく。
- 他の国公立大学の漢文問題に数多く当たっておくとよい。
★2022年度以前は、教育学部は別問題となっていた。出題範囲は同じなので、〔1〕の現代文はもちろん、余裕があれば、〔2〕の現代文・古文・漢文の融合問題も見ておくとよい。