
傾向と対策(前期日程)
2023年度までの前期日程の入試問題を分析しました。さらに詳しい最新の分析は「大学赤本シリーズ」をご覧ください。
【目次】
【数学(理系)】
傾向
※2020~2023年度の分析
微・積分法は必出、証明問題頻出! 標準問題は確実にクリアできる実力養成を
出題形式 | 共通問題は3題
理(数理科)学部はこれに加えて3題の独自問題が課される。 |
---|---|
試験時間 | 共通問題は75分
理(数理科)学部の独自問題は理科と合わせて2科目150分 |
解答形式 | 全問記述式 |
出題範囲
- 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B(数列、ベクトル)
頻出項目
- 微・積分法については毎年出題。
- 円や平面・球などの図形に関する問題の出題率が高い。
出題内容
- 微・積分法では、接線、最大値・最小値、グラフを利用する方程式の実数解の個数、面積・体積など。ほぼ微・積分法の全範囲にわたっている。
- 数列では漸化式、図形に関する問題ではどの項目も重要、ベクトルや複素数平面もしっかりとした対策が必要。
難易度
- 全体的に、標準~やや難レベル
- 正確な計算力を必要とする問題、丹念に思考し解法の方針をじっくり立てなければならない問題などがある。また、公式の利用や定型的な解法だけでは解けない問題も少なくない。
対策
①標準的な問題を確実に
- 教科書の章末問題までの演習では解法の視点が限定されやすい。
- 入試用の実戦問題集で広い視野に立って標準問題の定型的な解法をまず身につけることが大切である。
②頻出項目は十分に自信をつける
- 実戦問題集で標準パターンの問題を手際よく解く定型的な解法を練習するとともに、標準レベルよりやや高度な知識を参考書で獲得しておく。
- 微・積分法:出題の中心となっている。
- 基本公式の徹底理解と、それらを活用する計算力を身につける。
- 三角関数に関する問題も多いので、それらの微・積分の計算については十分に練習を積んでおく。
- 数列
- 与えられた漸化式が解けるだけでなく、漸化式を立てる練習もしておく。
- ベクトル
- 標準問題の練習に加えて、初等幾何的な図形の性質についても整理しておく。
③証明問題:出題率が高いので、対策は必須!
- 仮定と結論をしっかりととらえ、形式的にも内容的にも論理的記述ができるようにしておく。
- 数学的帰納法についてもよく慣れておくこと。
【国語】
傾向
※2020~2023年度の分析
古文と現代文の大問2題が定着 やや難レベルの設問も
出題形式 | 古文・現代文各1題の計2題。2020年度までは、400字の意見論述を加えて計3題だった。 |
---|---|
試験時間 | 90分。2020年度までは120分 |
解答形式 | 記述式中心で選択式もある。古文・現代文ともに主旨関連の内容をまとめさせる設問には、50〜100字程度の字数が指定されることが多い。 |
出題内容
古文
- 中古・中世・近世の多様な作品から出題。
- 2021年度は和歌を含む文章が出題された。
- 設問は、場面・状況の把握を中心に、人物の行動や心情の理解を求める内容説明問題が多い。
- そのほかに口語訳、人物指摘、文法など古文の一般的な設問が出題されている。
現代文
- 思想・文化・科学・言語・文学など幅広い分野からの評論が主流。
- 設問は、論旨・文脈の丁寧な把握を要するもの、文中の叙述・用語・表現の内容・論拠などを説明・記述するもの。
- ほかに漢字の書き取りや語意などが出題されている。
意見論述 ※2020年度まで出題されていた。
- 課題文を読んで、考えるところを400字以内で述べる形式で出題されていた。
- 課題文の内容は評論が主流。
- 社会・文化・言語などの広範囲にわたる日頃の問題意識、思考力の深浅や構成力・表現力を問う出題。
難易度
- 国公立大の入試問題としては標準レベルといえるが、一部にやや難レベルの設問を含む。基礎力・読解力・思考力・表現力などが総合的に試される。
対策
①古文
- 古語は、基本重要語を中心に、例文のついたコンパクトな受験用の単度集などで整理しておく。
- 文法は品詞、活用語の活用形と接続、助動詞・助詞・敬語の意味や用法・識別、係り結びなどに注意する。
- 口語訳は、具体的な場面・状況をつかみ、正確に文脈をたどり、主語・対象・省略語句・指示内容を補って、説明するつもりで丁寧な訳出を心がける。
- 心情・理由・状況などの内容説明問題は必出。他大学も含めた過去問を活用して、ポイントのつかみ方や制限字数内での要約の仕方を確認しておく。
②現代文:出題内容に見合う問題集の活用が効果的!
- 初回の通読を通して、ひとまとまりの小段落ごとにキーワードやキーフレーズを軸として小主題文をまとめ、その上で全文の要旨を200〜300字程度に書き上げてみる。
- 精読を要する説明問題では
- 設問を中心に、筆者の判断や独特の表現が示されている箇所に注意して、それと関連した叙述(同義・対比部分、抽象化・具体化した部分、原因・結果を示した部分)を図式化するなどして、整理する。
- 整理した内容を生かして実際に解答を作り、最後に模範解答や解説を熟読して不足や不備を補っていく。
③意見論述 ※2021年度以降は出題されていない
- 課題文の内容に対して解答者自身がどう関わるのか、積極的に考える必要がある。
- 自分の意見を簡潔にまとめ、課題文の主旨に対して賛成・反対いずれの場合でも、根拠ある結論を示すことができるように、普段から新聞の文化欄・社説・コラムなどを活用して、問題意識の拡大・深化を心がけておく。