
リーディング・リスニング・ライティング・スピーキングと、自分の英語力を総合的にためせる英検。だけど、幅広い試験だからこそ、何からはじめればいいか分からなくなってしまいがちです。
そこで、「英検対策のはじめかた」を、川原先生にうかがってみました!
「受験を決めたけど、どんな対策をすればいいか迷っている……」「学校の勉強と両立できるか不安で受けるかどうか悩んでいる……」、そんな人におすすめの記事です。具体的な対策方法が盛りだくさんなので、読んだその日から勉強の第一歩を踏み出せます!
目次 |
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Q1:英検対策って、まず何から始めたらいいんですか?
―――A.まずは、時間を気にせずに1年分の問題を解いてみましょう。
英検のような資格試験は、現時点での英語力を試すリトマス試験紙のようなものです。そういった意味では、対策というのは本来必要ないものなのかもしれません。英語力の底上げをはかっていく日々のトレーニングの一環として、英検を受験しても合格するというのが理想だと思います。
とはいえ、実際どのような試験なのかを知らずに受けるのもなかなか勇気のいることでしょう。それに、やはり受ける以上は合格したいというのが人情です。 お勧めは、まず一次試験(筆記試験&リスニング)の過去問を1回分やってみることです。とはいえ、やみくもに時間を計って過去問に取り組んでも、全く歯が立たずにモチベーションの低下につながる可能性も否定できません。
そこで、まずは、購入した過去問題集の一番新しい年度の分を3セットコピーしてください。
1セット目は、1問ずつ答えを確認しながら、 コピーに書き込んでいきましょう 。この際辞書や文法書を使ってもかまいませんし、時間も無制限でいいと思います。理解すること、試験の傾向をつかむことを目標にしてください。
そして、数日後に2セット目に取り組みます。この時は解答時間通りに何も使わずにやってください。前回に比べて、比較的すらすら解けるはずです。そして、再び数日たってから3セット目に取り組みましょう。ただし、この時は時間を10分ほど短めにして負荷をかけてください。
同じ過去問を、負荷を少しずつかけていきながら3回繰り返すことにより、どの分野を中心に学習していくべきか課題が見えてくるはずです。英検合格へ向けたはじめの一歩としてお勧めです。
Q2:受験勉強との両立はどのようにすればいいですか?
―――A.「骨太」の英語力を目指せば、問題ないです。
受験勉強の英語、英検の英語という境界線は存在しません。要は、日々の英語学習を通じて、受験も突破できる、英検も突破できる「骨太」の英語力を身につければいいのです。言い換えれば、リスニング、スピーキング、リーディング、ライティングの4技能をバランスよく鍛えていくということになります。
英検は各級とも4技能のバランスを加味した良問が出題されます。また、共通テストのリスニングテストでは「1回読み」の問題が出題されるようになりましたが、英検では以前から「1回」で聞き取ることが求められています。こういった共通点からも受験対策と英検対策はより近いものになったといえるでしょう。
実際、多くの進学校では英検の受験を奨励しています。私の勤務している灘中学校・高等学校でも、毎年多くの生徒が英検に挑戦しています。イメージとしては、中学卒業までに3級~準2級、高1~高2で準2級~2級、高2~高3で2級~準1級という高めのレベル設定をしておけば、大学入試にも照準が合ってきますよ。
Q3:英単語がなかなか覚えられません……。
―――A.「効率的な」継続は力なり、です。
例えば100個の英単語を10日間で覚えるとしましょう。
1日目1~10、2日目2~20、……10日目91~100というのではなかなか定着しません。
理想を言えば、1日目1~100、2日目1~100、…10日目1~100というのが記憶効率という観点からすればベストだと思います。
それが難しければ、1日目1~10、2日目1~20、…10日目1~100というのでもいいでしょう。それも難しければ、1日目1~20、2日目11~30、3日目21~40…のように、前日覚えたものと新しく覚えるものを組み合わせるというのも悪くないでしょう。継続は力なりです。
また、英単語を覚える際に意識してほしいことをいくつか紹介するので、参考にしてください。
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Q4:面接(スピーキング)対策を教えてください。
―――A.本番形式の練習に「一工夫」してみましょう。
面接は、1次試験の合格通知をもらってから面接当日まで準備期間がほとんどありません。ですから、1次試験の勉強をする時に、ライティングの練習もかねて、面接の過去問に取り組むのが合理的です。
具体的には、まずは本番形式で「受験者用問題カード」を使ってスピーキングの練習をしてください。この際、学校や塾の先生に本番の面接形式で練習してもらえばさらに効果的です。そして、模範解答を見て答え合わせをするのですが、その際に自分で訂正して作った解答を文字にしてノートに書いておきましょう。それを徹底的に音読してスラスラ言えるようにしてください。
ライティングとスピーキングは連動しており、いずれも発信に必要なスキルです。 なお、面接に関しては拙著「竹岡の英検マスターシリーズ」(教学社)で、別解などかなり詳しめに解説を書いています。よかったら参考にしてください。
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川原正敏(かわはら・まさとし)
灘中学校・高等学校教諭。1972年、大阪生まれ、京都育ち。洛南高等学校、同志社大学文学部英文学科卒業。智辯学園中学校・高等学校、立命館中学校・高等学校、京都市立西京高等学校、京都市立堀川高等学校、京都市立京都工学院高等学校勤務を経て2019年度から現職。Stay healthy, aim high, and just keep trying! をモットーに、生徒たちと高みを目指し日々奮闘中。2020年度NHKラジオ英会話にコラム「英語教師が考える英語学習のエッセンス」を連載。共著に「竹岡の英検マスターシリーズ」(教学社)、「大学入学共通テスト対策リーチシリーズ」(美誠社)。ブログ「マット・リーの闘う最強英語」では英語学習に関する記事を公開中。
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