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――そもそも、英文法とは何ですか?
肘井 英文法とは、読んで字のごとく、「英語という言語に関するルールを体系化したもの」です。言語というものの目的は、「何らかのメッセージを相手に届けること」です。その際に、話し手と聞き手、あるいは書き手と読み手の間に、共通のルールが存在していなければ、そのメッセージを、相手(受け取り手側)が理解することはできません。その、共通のルールこそが、英文法なのです。
――今後は、英文法学習は不要になりますか?
肘井 いいえ。日常での英語の運用能力が求められるこれからの時代においてこそ、英文法は、学ぶ必要があります。英語4技能(スピーキング・リスニング・リーディング・ライティング)のそれぞれを見ていきましょう。
スピーキングでは、相手に正確にメッセージを伝えるために英文法が必要です。
共通テストで配点が大きく上がるリスニングでも、メッセージを正確に理解するためには、英文法の知識と理解という、土台がしっかりと身についていることが必要です。
リーディングにおいても、同様のことが言えます。リーディングとは、書き手が込めたメッセージを読み取ることです。その際にも、書き手と読み手が、共通のルールを理解していなければ、そのメッセージをやりとりすることは不可能でしょう。共通テストでも、形式上、英文法を単独で問う出題はなくなりますが、英文法は、読解問題の中で問われます。
当然、書く側も英文法を理解していなければ正しいメッセージを届けることは不可能なので、ライティングにも英文法は不可欠です。
――英文法を知っていると、どんな良いことがありますか?
肘井 英文法は、英語を話す(スピーキング)、聞く(リス二ング)、読む(リーディング)、書く(ライティング)、いわゆる英語4技能すべての土台をなすものです。英文法を学ぶことこそが、英語のすべての力を高めてくれる特効薬になるのです。
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著者紹介
肘井 学(ひじい・がく)
- 慶應義塾大学文学部英米文学専攻卒業。全国のさまざまな予備校をへて、リクルートが主催するネット講義サービス「スタディサプリ」で教鞭をとり、高校生、受験生から英語を学びなおす社会人まで、圧倒的な満足度を誇る。
- 「スタディサプリ」で公開される「英文読解」の講座は、年間25万人の生徒が受講する超人気講座となっている。さらに「東大英語」「京大英語」まで担当し、受講者に多くの成功体験を与えている。
- 週刊英和新聞「朝日ウィークリー(Asahi Weekly)」にてコラムを連載するなど、幅広く活躍中。
- 著書は『大学入試 肘井学の読解のための英文法が面白いほどわかる本』『大学入試 肘井学の ゼロから英語長文が面白いほどわかる本』『大学入試 ゼロから英文法が面白いほどわかる本』『語源とマンガで英単語が面白いほど覚えられる本』(以上KADOKAWA)、『難関大のための 上級問題 特訓リーディング』(旺文社)、『大学入試 レベル別英語長文問題ソリューション(1~3)』『高校の英文法が1冊でしっかりわかる本』(かんき出版)など多数。