すべての土台はリーディング! 関正生式 英語4技能攻略法

すべての土台はリーディング! 関正生式 英語4技能攻略法

2021年 05月 13日

 英語は4技能が大事ってよく聞きますよね? 読めるだけじゃダメって言われても、どうやって勉強を進めていけばよいのでしょうか? 『スタディサプリ』のカリスマ講師、関正生先生に教えてもらいましょう!

 

関先生写真

関 正生(せき まさお)

 オンライン予備校『スタディサプリ』講師

1975年7月3日東京生まれ。埼玉県立浦和高校、慶應義塾大学文学部(英米文学専攻)卒業。TOEICテスト990点満点取得。年間に140万人以上の受験生・高校生・社会人に英語を教える。

著書は、4技能試験対策書として、『TEAP攻略問題集』(教学社)があり、他には『東大英語の核心』(研究社)、『サバイバル英文法』(NHK新書)など、100冊以上(一部は韓国・台湾でも翻訳出版中)。また、NHKラジオ講座『小学生の基礎英語』や英語雑誌『CNN ENGLISH EXPRESS』(朝日出版社)でコラムを連載中。様々なビジネス雑誌・新聞の取材、TV出演など多数。

 

 

◆そもそも、「英語4技能」ってナンだ?

英語4技能とは?

 最近の大学受験英語の世界では、「英語学習では、読む・聞く・書く・話す、という4つの技能を満遍なく学び、試験でその能力を試すべき」という「英語4技能」について、色々と話題になっています。

 しかし「4技能」という言葉だけが取り上げられたり、専門家同士でその是非を言い合ったりはしているものの、みなさん受験生の立場からの「で、結局どうすればいいの?」という疑問・悩みにこたえるものが明確に提示されているとは思えません。なんとなく「しっかり勉強しようね」という雰囲気のもと、「音声を使って勉強しよう」とか「聞き取れなかった単語をしっかり確認しよう」といった当たり前のことばかりが取り上げられている印象を受けます。

 そこで今回は「本当にその勉強は効果的なのか?」ということを念頭に置いて、英語4技能試験対策のために効果のある勉強法を具体的に説明していきます。

どの技能から勉強し始めるのか?

 「読めない英語」を「書ける」わけがありませんし、「聞けない英語」を「話せる」わけがありませんよね。そして、ゆっくりでも「書ける」ようになれば、その瞬発力を上げていくことで「話せる」ようになるわけです。

 ですから、まずはリーディングがすべての土台となります。語彙・文法・英文解釈で、英文を正確に読み取れる力をつけましょう。

 次はリスニングです。実はリーディングとリスニングは相乗効果を生む勉強法があるので、リーディングの力をリスニングに活かしていきましょう。

 その次は、ライティングです。まずは英文を「書ける」ようにしてから、その先にあるスピーキングに応用していきます。

 昔から「子どもが言葉を覚えるときには文法をやらない」とか「音(聞く・話す)から覚えてから文字にいく」という理由で日本人もその順番で学ぶべきだという主張もありますが、これはとんでもない誤解です。

 言語学の世界では、「母語と外国語の習得は違うものだ」というのはもはや常識なのですが、なかなか世間には浸透しません。日本人が第ニ言語として英語を習得するには、母語とは違うプロセスを踏むのは当然のことなのです(もしこういったことに興味がある人は、大学で「第ニ言語習得」というテーマで授業を受けたり本を読んだりしてみてください)。

 

◆RLWSそれぞれの特徴・勉強法・対策法

Reading

音読の注意点

 リーディング(読解)は4技能の核となるものですから、最初にじっくりと時間をかけて取り組みましょう。

 まずは、「語彙・文法・英文解釈」を徹底的に勉強してください。そしてその仕上げとしての「音読」を行います。音読で意識するのは、以下のことです。

①文法・構文を意識

まずは構文解析を意識しながら10回。

②内容

次に英文を読みながら意味が浮かぶように10回。

これをこなしていくうちに「日本語を介さずに英文を理解できる」ようになっていきます。

③スピード

「自分が本番で読むときのスピード」を意識しながら10回。

音読はリスニング・スピーキングにも効果アリ

 音読は「英語を英語のままで理解できるようになる」ことが最大のメリットで、これにより「英語の処理能力が上がる」わけですから、長文を読むスピードが上がるだけでなく、リスニングの力も劇的に向上します。

 さらに、きちんとした音読をする過程で、「適切に区切る箇所」もわかるようになり、英文を「読むとき・聞くとき・話すとき」の自然な「息継ぎ箇所」が体得できるようになります。これはリスニングでもスピーキングでも非常に重要です。そして英検などの面接試験で出題される「英文を声に出して読む問題」で、高得点を取れるようになるのです(声に出す問題は、みんな「発音」がポイントだと思っていますが、「適切なところで区切ることができるか?」も大事なポイントなんです)。

 

Listening

リスニング最大の武器「弱形」をマスターしよう

 今までofのような単語は「弱く軽く発音される」と言われてきましたが、残念ながらこの説明はよくありません。「弱く」と言われたら、まるで小声で、急いで「オヴ」と発音することだと誤解されるからです。実際は最初から「オヴ」なんて発音していないんです。ofの「普段の発音」は「ァヴ」、さらには「ァ」や「ヴ」になることもあります。

 このように、基本単語には2種類の発音があり、辞書を引けば発音のところに〈弱〉と〈強〉と示されています。これはそれぞれ「弱形」「強形」と言われるもので、実は日常で使われるのは「弱形」のほうなんです(辞書でも必ず弱形のほうが先に載っています)。

 ofの場合でいうと、みなさんが親しんできた「オヴ」という発音は強形であり、特別に強調したいときにしか使われない発音なんです。

 普段は軽く「ァヴ」「ァ」「ヴ」という弱形が使われます。これを知らないと、「いつもofの発音が速くて聞き取れない」という悩みを抱えたままになってしまうのです。

弱形の例

 「弱形」を持つ単語は中1レベルの単語ばかりです。ちょっとがんばれば、あっさりマスターできます。「弱形」をマスターすることで、リスニングの世界が劇的に変わるはずです。リスニングの勉強のときは、以下の一覧を横に置いて英文を聞いてみてください。

前置詞  強形 → 弱形

of 「オヴ」→「ァヴ」「ァ」「ヴ」

to 「トゥー」→「タ」

for 「フォー」 →「ファ」「フ」

from 「フロム」→「フム」

代名詞

you 「ユー」 →「ユ」「ヤ」

your 「ユア」 →「ヤー」

him 「ヒム」 →「イム」

her 「ハー」 →「ァー」

their 「ゼア」 →「ザ」

them 「ゼム」 →「ァム」

our  「アウア」 →「ァー」

接続詞

and 「アンド」 →「ン」

or 「オァ」 →「オー」

be動詞

be 「ビー」 →「ビ」

been 「ビーン」 →「ビン」「ベン」

are 「アー」 →「ァ」

 

Writing

文法がすべて

 ライティング問題は難しそうなものが多いので、どうやって勉強するのか不安な人も多いでしょう。しかしあくまで「英語の試験」なのですから、「英語を正しく書く」というのが絶対条件であり、かつそれが試験の大きなウエイトを占めるといえるでしょう。

 誤解を恐れずにいえば、「正しい英文を書く」だけで合格点に届くことさえあるわけです(もちろん問題の条件(たとえば「理由を2つ述べなさい」)を満たすのは当然として)。

 どんなに良い意見を書いても、文法的なミスだらけだと得点はもらえません。逆に、ありきたりなことを書いても、英文がしっかりしていて、問題の条件を満たしていれば合格点に達するのです。

 ですから、まずはみなさんは「文法面でミスのない英文を書く」ということを目標にしてください。

お決まりフレーズを覚える

 次に、ライティングで重宝するのが、意見を言うときの「お決まりフレーズ」です。

 たとえば、I agree[don’t agree] with this idea.「私はこの意見に賛成[反対]です」や、That’s why I think[don’t think] that ~.「そういう理由で、私は~と思います[思いません]」などです。

 ライティングを勉強しながら、「あ、これ便利だな」と思ったフレーズを自分で収集していけばいいのです。無理にマジメに考えることなく、自分の使いやすいものを選ぶのが一番ラクで確実に覚えられますよ。

 

Speaking

ライティングとの決定的な違い

 従来の勉強法で一切言われない大事なことがあります。それは「スピーキングは単に“日→英”の作業ではない」ということです。

 ライティングとスピーキングが決定的に違うのは、「参考にすべき(これから訳すべき)日本語があるかどうか」ということなんです。

 つまりライティングの場合は、日本語を見ながらそれを参考に英語にすることが許されますが、スピーキングでは一切許されません。日本語が見えないだけで、英語にするハードルが格段に上がるのです。

 世間には「日本語を見ながら英語を話す練習をすればいい」と思い込んでしまっている人がものすごく多いのですが、それだけでは絶対にスピーキングはできるようになりません。

 

英文を見ずに練習する

 ですから、スピーキングの勉強とは、「日本語→英語」という発想だけでなく、「日本語を見ない状態で英語を作る」という意識が絶対に必要なのです。

 みなさんは今後、ライティングの勉強をするとき、単に英語にして模範解答を見て終わりにするのではなく、完成した英文・模範解答の英文を、英文を見ながらではなく目線を外して、言ってみれば「エアー」で声にしてみることが大事です。

 1度ではできないのが当たり前なので、何度もトライしてみてください。エアーで英語を口にするのはみなさんの想像以上に難しいのですが、効果は絶大です。

 このようにエアーで英語を口にする練習をしていくと、スピーキングの土台が出来上がります。

 せっかくの4技能ですから、このように、それぞれのスキルにつながる・関連する勉強方法を取り入れてみてください。

 

◆受験生への応援メッセージ

 これを読んでいるみなさんも、勉強に疲れたり、ときには「受験勉強って意味あるの?」と思うことがあるかもしれません。

 でも受験勉強というのは、英語の文法規則であれ、数学の公式であれ、理科の法則であれ、歴史の知識であれ、すべて過去の天才たちが人生を賭けて手に入れた「世の中の真実」が結集したもので、それを“一瞬で”教えてもらえる絶好の機会なんです。こんな恵まれた機会は一生ないかもしれません。

 また、受験で扱う世界は膨大です。時代を超え、国境を越え、化学では目に見えない世界を扱い、英語や古文では、直接話をすることができないような偉人の言葉を聞くことができます。こういった勉強は間違いなく「広い視野」にもつながります。ぜひ受験勉強に燃えて、志望校合格を勝ち取ってください。