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Q1 中学1年生では、まず何級を受けるのがよいでしょうか?
私が、中学入学後の生徒に積極的に受験をすすめているのは4級以上の級です。
学年をとわず、早い段階で4級を取得し、続けて3級を目指すよう指導しています。同じように指導している学校や教員が多いのではないでしょうか。そして英語が得意な生徒へはさらに上位の準2級以上へのチャレンジをすすめています。
Q2 5級から順番に受けなくてもよいのでしょうか?
もちろん、5級からスタートをして、順番に受験をしたいという生徒は一定数います。
5級は、小学校で教科としての英語指導が始まったこともあり、小学校で学んだことがきちんと身についていれば、小学校卒業時点で取得可能です。よって、中学入学時に5級を取得しておらず、順番にステップアップしていきたいという生徒には、入学後のできるだけ早い段階で5級に挑戦するようにすすめています。
ただ、近年は、家庭や小学校で早期英語教育をおこなっている場合には、小学校の間に5級の取得をすませていたり、飛び級で4級や3級の受験から始めているというケースが増えてきているように思います。
Q3 4級から3級にかけてはとても難しくなるように感じます。
一番の壁はライティング
4級と3級の間にある一番大きな壁はライティングのパートが入ってくることです。これに苦手意識をもつ生徒は少なからずいます。小学校での英語は「読む」「聞く」「話す」が中心で「書く」指導はほとんどおこなっていないことも大きな要因になっていると思います。でも実は、3級のライティングは、答え方の形式をしっかりと守って、練習をこなしていけば高得点が期待できるパートです。そして、同じく3級から始まる面接試験(スピーキングのパート)についても同じことが言えます。
ライティングとスピーキングの「二つの壁」さえ越えられれば、4級から3級へと期間をあけずに挑戦することは決して難しくはないと考えています。
3級と4級は双方向の学習が可能
リーディングとリスニングのパートは、4級と3級では問題のレベルがある程度重なっている部分が多いです。そのため、4級の内容を忘れないうちに3級を学ぶようにすると、理解度がぐんと上がります。
また、私の場合、3級合格を目指す生徒へは、3級の過去問ばかりをするのではなく、4級の過去問で高得点を取れるように練習するようにと指導しています。4級でコンスタントに高得点が取れるようになれば、3級も自然と合格点に達します。
Q4 何から勉強すればよいですか?
これは、英検を受験する生徒から一番よく受ける質問です。それに対する私の返答は決まっていて、「本番どおり時間をはかって過去問を解き、どれだけできるか確認してみなさい」です。
自分の弱点を知って、強化する
過去問を2回分ほど解けば、自分が得意なパートと苦手なパートが見えてきます。たとえば、リーディングパートの初めの語彙(ごい)の問題があまり正解できていなければ、語彙力(ごいりょく)を強化し、リスニングの問題でつまずいていれば、リスニングの演習をくり返しおこないます。
ときにはレベルを落としてみる
また、語彙(ごい)の問題でもそうですが、長文読解の問題やリスニングの問題で、半分以上間違えるなど、大きくつまずいているところがあれば、級を一つ落として、その過去問で演習することが効果的だと思います。読めないもの、聞き取れないものに無理して取り組むよりは、少しレベルを落とした問題で確実に高得点を取れるように学習してください。3級の取得を目指す人ならば4級の問題、準2級ならば3級の問題を確実に正解できるように勉強することが、実は合格への近道だと言えるのです。
そして力がついてくれば、その級に合わせたレベルの弱点補強をし、最後に再び自分が受験する級の過去問を解きなおし、自分の成長具合を確かめて手ごたえを感じてもらいたいです。
次回は、3級合格のカギである英作文の勉強法について、吉川先生に具体的なアドバイスをいただきます。どうぞお楽しみに!
吉川大二朗(よしかわ・だいじろう)
立命館慶祥中学校・高等学校教諭。1976 年、京都市生まれ。
小学生を対象に英検5級から、中学高校生を対象として準1級までを指導。
Be curious! Be critical! Be creative! を指導のモットーとして、学生が楽しみながら英語を習得できる授業作りを目指して日々格闘中。
中高一貫英語教材『NEW TREASURE Third Edition』シリーズ(Z会出版)の編集・執筆協力。高校検定教科書「CROWN 論理表現 Ⅰ」(三省堂)執筆協力。「竹岡の英検マスターシリーズ」(教学社)共著。
英検赤本シリーズ
『英検3・4級過去問集』
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