中学生の英検合格をサポート! 英検3・4級合格の秘訣【第2回】ライティング編

中学生の英検合格をサポート! 英検3・4級合格の秘訣【第2回】ライティング編

2022年 04月 28日

 

前回のブログに引き続き、吉川大二朗先生に、中学生の英検の取り組み方についてお話を聞いています。多くの中学生が受験する3・4級ですが、3級からはライティングが出題されます。そして、その「ライティングの攻略こそが、3級の合格には必須」と言えるそうです。今回は、ライティングの勉強方法について、吉川先生にくわしく聞いてみましょう。

【第1回】こちら

 

 

Q1 3級のライティング(英作文)ってどんな問題ですか?


英語の質問に対して、自分の考えその理由を2つを書いて答えるという問題です。

英文の長さについては〇文以上書きなさいという指定はありませんが、理由を2つ含めて25~35語を目安として書くことが求められています。語数はあくまで目安ですので、少しくらい長かったり短かかったりしても大きな問題にはなりませんが、理由は必ず2つ書く必要があります

 

Q2 ライティングの出来・不出来は合格に影響しますか?


大きく影響します。リーディングパートの問題は30問、リスニングパートの問題も30問出題されていますが、このライティングパートの出題は1問だけです。そしてこの1問が、リーディング、リスニングのそれぞれの30問分と同じ点数配分になっています。つまり、どれだけリーディングやリスニングのパートで高得点を取ったとしても、このライティングパートで得点を取ることができないと、一次試験を合格することは難しくなります

しかし、逆にいえば、このライティングパートでしっかりと得点が確保できていれば、リーディングやリスニングのパートに少しくらい苦手なところがあったとしても合格に近づくことができます

 

Q3 どうやって書けばいいですか?


25~35語というのは、慣れないうちは語数が多いように感じるかもしれません。ですが、次の3つのステップをしっかりと踏んで答えれば、自然と必要な語数に近づけることが可能になります。

ステップ1●質問に対する自分の答えを、2つの理由を付け加えながら考える

受験生の中には、すぐに答えを決めて英文を書きだす人もいますが、ただ答えを決めるのではなく、その答えに2つの理由をつけて説明できるかどうかを考えたうえで、英文を書き始めるようにしましょうよい理由を思いついても、それを英語で表現するのが難しそうであれば、別の理由を考えるようにしましょう。ここでの理由は人を感動させたり、驚かせたりする内容である必要はありません。きちんと筋の通る(これを論理的と言います)内容のものであれば、シンプルな内容でかまいません

ステップ2●質問に対する答えの英文を正確に書く

たとえば、Which do you like better, summer or winter? という問いがあったとします。これに対する自分の答えが、「夏」だったとすれば、「×Summer.」 や「It’s summer.」などの答え方はやめておきましょう。「I like summer better.」 と答えることがのぞましいです。質問の英文の形に合わせて答えることを心がけましょう。

ステップ3●2つの理由を自分の書きやすい「型」で述べる

2つの理由を自然な流れで書けるように、自分なりの「型」というものを作っておくようにしましょう。代表的なパターンを2つほど挙げておきます。

パターン1

I like summer better.  I have two reasons.(理由が2つあります)First(ly), ...(1つ目は…)Second(ly), ...(2つ目は…)

※理由を表す英文を長く書くのが苦手な人にはおすすめのパターンです。

 

パターン2

I like summer better because ...(私は夏の方が好きです。なぜなら…だからです)  Also, ...(また、…でもあります)

※語数が35語を超えてしまいがちな人におすすめのパターンです。becauseは接続詞として前の文と後ろの文をしっかりとつなげるようにし、「I like summer better. Because ...」 というように文を区切ってbecauseを大文字で書き出さないようにしましょう

語数に合わせてどちらも使えるようになってもらいたいのですが、語数はあくまで目安ですのであまり気にする必要はありません。自分の書きやすい「型」をしっかりと定着させるところから始めていきましょう

 

Q4 答えを書くときに気をつけるべき点を教えてください。


単語のつづり、文法のミス

当たり前のことですが、単語のつづりミスや文法ミスはできるだけ減らしていくように心がけてください。ですが、ミスをおそれるあまり、伝えたい内容が書けなくなってしまっては困ります。私が過去に指導してきた受験生たちの得点状況を見るかぎり、少しくらいのミスをしたとしても、きちんと自分の伝えたいメッセージを英文にしている答えは高く評価されているようです。とはいえ、正確に伝えるという意味では、単語のつづりミスや文法ミスはできるだけ減らすように努力してくださいね。

筋が通っているか

評価を得るうえで何が重要になってくるかというと、一番大切なのは、自分の英文が筋の通る、つまり「論理性」のある英文に仕上がっているかどうかです。たとえば、 I like summer because it is hot.(私は夏が好きです。なぜなら暑いからです。)では、筋が通っていないですよね。でも、この場合にもちょっと工夫をすれば、筋の通る英文になります。I like summer because I like hot weather. (私は夏が好きです。なぜなら暑い気候が好きだからです。)とすれば、筋が通ります。その後に続けて、「暑い気候で楽しめる活動」について述べればより説得力のある英文に仕上がります。

 

Q5 どのように勉強すればいいでしょうか?


過去問と面接の問題を活用

とにかく問題の数をこなすことが大切です。そのうえで一番役に立つのは過去に出題されていた問題(=過去問)です。ただし、過去問は数に限りがあります。比較的、質問の内容とレベルが近いのが、二次試験の面接で問われているNo.4の問いです。これを練習問題として利用すれば、同時に面接試験に備えることにもつながります。

人に読んでもらう

ただ、やみくもにたくさん書いて練習するだけでは不安だという人も多いと思います。そんなときは、可能な限り他の人に読んでもらうようにしましょう。英語のできる人に英文を直してもらうことが理想ですが、友達や家族に読んでもらって、英文がきちんと相手に伝わるものか、理由が筋の通るものになっているかを確認してもらうだけでも大きな成果が得られます。常に読み手を意識して書くという習慣をつけるようにしましょう。

 

竹岡広信先生のライティング講座もぜひ参考にしてみてください!

 

最後に英検合格を目指す皆さんに、応援メッセージをお願いします。


私が英検を初めて受験したのは、中学2年生の頃。5級を飛び級して4級からの受験でした。それから英検1級を取得するまでの道のりは長いものでしたが、英検の受験を通して「読む・聞く・書く・話す」の4技能だけではなく、単語力や文法の知識についても磨きをかけることができました。また、良質な題材となっている英文からは様々な知識と教養を学ばせてもらいました。資格試験として合格を目指すことは当然ですが、英検の学習を通して、自分自身の世界観を広げる貴重な機会としてもらえるとうれしいです。英語は楽しみながら身につけていきましょう!

 

吉川大二朗(よしかわ・だいじろう)


立命館慶祥中学校・高等学校教諭。1976 年、京都市生まれ。

小学生を対象に英検5級から、中学高校生を対象として準1級までを指導。Be curious! Be critical! Be creative! を指導のモットーとして、学生が楽しみながら英語を習得できる授業作りを目指して日々格闘中。中高一貫英語教材『NEW TREASURE Third Edition』シリーズ(Z会出版)の編集・執筆協力。高校検定教科書「CROWN 論理表現 Ⅰ」(三省堂)執筆協力。「竹岡の英検マスターシリーズ」(教学社)共著。

 

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