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―――リスニングは、英語学習の中でいつ頃から学習すればよいですか?
肘井 共通テストでリーディングとリスニングが同じ配点になったので、できる限り早い段階から始めるべきでしょう。文法、単語の勉強でも英語の音をしっかりと聞いて、早い段階から英語の音に慣れておいた方がいいです。特に10月以降は、共通テスト形式の問題をたくさん解いていきましょう。
―――共通テストのリスニングでは、どんな力が求められていますか?
肘井 まずは、英語の音が聞き取れないと何も始まりません。次に、その音から情報を理解する力、そして、実際に問題を解く力です。共通テストのリスニングは、一部に独特の形式があるので、その形式の最善の解き方を見極めて、何度も問題演習する必要があります。
―――リスニングがとにかく苦手な人は何から始めればいいですか?
肘井 英文の読み上げ音声が1文流れたら、停止して書き取ってみてください。いわゆるディクテーションですね。これをやると、自分がどこが聞こえていないか、弱点を発見できるんです。そこを集中して繰り返して聞けば、どんどんリスニング力が上がっていきます。
リスニングの学習では、誰しもこのディクテーションを経験して、少しずつ聞こえる音が増えてくるものです。
―――リスニングは勉強してもなかなか効果が現れないこともあるかと思います。
肘井 3か月間毎日、リスニングの問題を解いて、英文を見ながら音声に合わせて発声する、これを5~10回やってみてください。オーバーラッピングと言われる練習法です。これをやってくれたら、必ず効果が出てきます。
―――秋から始めて、高得点を取る方法を教えてください。
肘井 上記のオーバーラッピングが簡単になってきたら、英文を見ずに聞こえてきた音声を影のように追いかけて発声するシャドーイングを、1文につき10回やってみてください。この通りやれば、必ずリスニングも得意になります。同時並行で問題を解くこともおすすめします。
―――リスニングについて、よく受ける質問や相談はありますか?
肘井 リスニングをどう勉強したらいいかわからないとか、リスニングのおすすめの参考書を教えてくださいとか、よく聞かれますね。リスニングを苦手とする生徒は非常に多くて、リスニングの勉強をこれまで全然していないことや、そもそもリスニングの勉強とは何をしてよいかわからないことが原因かなあと考えています。
だから、そういう人に向けて、今回、リスニング対策書を作りました。
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著者紹介
肘井 学(ひじい・がく)
慶應義塾大学文学部英米文学専攻卒業。全国のさまざまな予備校をへて、リクルートが主催するネット講義サービス「スタディサプリ」で教鞭をとり、高校生、受験生から英語を学びなおす社会人まで、圧倒的な満足度を誇る。
「スタディサプリ」で公開される「英文読解」の講座は、年間25万人の生徒が受講する超人気講座となっている。さらに「東大英語」「京大英語」まで担当し、受講者に多くの成功体験を与えている。
週刊英和新聞「朝日ウィークリー(Asahi Weekly)」にてコラムを連載するなど、幅広く活躍中。
著書に『大学入試 肘井学の読解のための英文法が面白いほどわかる本』『大学入試 肘井学のゼロから英語長文が面白いほどわかる本』『大学入試 肘井学のゼロから英文法が面白いほどわかる本』『語源とマンガで英単語が面白いほど覚えられる本』『大学入試 肘井学の作文のための英文法が面白いほどわかる本』(以上KADOKAWA)、『難関大のための 上級問題 特訓リーディング』(旺文社)、『大学入試 レベル別英語長文問題ソリューション(1~3)』『高校の英文法が1冊でしっかりわかる本』『高校の英文読解が1冊でしっかりわかる本』(以上かんき出版)などがある。