
傾向と対策(一般選抜)
2023年度までの一般選抜の入試問題を分析しました。さらに詳しい最新の分析は「大学赤本シリーズ」をご覧ください。
【目次】
【英語】
傾向
※2019~2023年度の分析
高度な語彙力、明晰な論理的思考力が試される長文読解
出題形式 | 大問3題。「外国語選択者」は全問を、「数学および外国語選択者」は大問〔1〕〔2〕と数学3題を解答。
内容に関する設問については設問文も英文。 |
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試験時間 | 「外国語選択者」は120分。「数学および外国語選択者」は数学の問題を合わせて120分。 |
解答形式 | 全問選択式(マークシート法)で、本文中の空所補充問題が全部で40問、読解に関する問題が全部で20問となっている。 |
出題内容
- 大問3題で、長文の総語数は2500語程度である。さらに、読解に関する設問は設問文も英文であることから、全体で読むべき英文量は非常に多い。
①読解英文
- 人間の心理や行動を洞察する文章や、現代の社会にかかわるホットな話題を扱った文章、人間の経済活動の及ぼす社会的な影響を論じる文章などがよく取り上げられる。
- 内容は、明快な論旨をもち、よくまとまり、全体をきちんと読み通せば十分にその主旨を理解できるものが多いが、やや抽象的なテーマが扱われることもある。
- 語彙レベルは、かなりな高水準の出題が続いており、原文そのままで、ほとんど書き換えられることなく出題されることが多い。
②空所補充問題
- 語彙・熟語力を試す設問が多いが、文法力、構文把握力などに関する設問や、論旨の流れ、論理関係に関する設問もかなりある。
③読解に関する問題
- 例年ほぼ英文の順に設問が配列され、読みながら解答するのに適した形式であるが、問題や年度によって、必ずしも順序通りでないこともあるので注意が必要である。
難易度
- 全体として、やや難~難である。
- 120分でこの分量の英文を読み通すのは、それ自体かなり難しい。構文・文法については、特に難解なものはなく平常の学習で十分対応可能である。だが、語彙・熟語に関しては高レベルなので、意識的に学習を進めないと、得点を伸ばすのは難しく、その意味で難度は高い。
対策
①語彙力対策
- 本文と設問を十分に読みこなすには、まず語彙力増強から始めたい。高レベルの語彙・熟語力を身につける必要がある。
- 市販の単語・熟語集であれば最高レベルまでやり抜くくらいでちょうどよい。
- 高いレベルの英語表現に触れるには、例えば、国立大学の難関校用の読解問題を使うのがよいだろう。できる限り多くの知的刺激に富んだ良質の英文に触れてボキャブラリー・ビルディングに励もう。
②内容理解対策
- 出題される英文は、一般書籍であるか、専門的な話題を扱う場合には一般向けに専門家が書いた入門書や、教科書、あるいは雑誌の記事レベルである。そのレベルの日本語に普段から接しておくことが大切である。
- できれば月に1冊程度は経済学や心理学を含む社会科学・人文科学系の新書や古典を読もう。
- 初めて知る事柄を英文で、しかも制限時間内に読み通すのは、相当に難しい。意識して自分の守備範囲を広げていこう。
- 新聞(日本語でよい)の政治・経済・国際面を読むこと。
- 現代社会の抱える問題や、その解決策、日本と世界各国とのつながり、その経済的な側面。こうしたことに開かれた心と広い視野をもつよう求められている。それに応える知的好奇心を養おう。
③読解力対策
- 読解力の基礎は、一つは文法・構文力である。英文の意味を理解するために必要な知識が十分に身についていなければならない。関係詞・準動詞・時制などは特に重要であるから、十分な練習を積んでおこう。
☞オススメ参考書『大学入試 ぐんぐん読める英語長文』(教学社)
※次に大切なのは、内容把握力である。構文や内容についての解説が詳しい参考書などの長文読解問題集に取り組んで、その力を伸ばしていこう。
- 大切なのは、細部をおろそかにしないこと。長文問題では、だいたいしか意味がわからなかった箇所こそが問われると言える。どの文も訳せと言われればきちんと訳せるほどに正確に読み、全文の論旨の流れを正しく把握すること。
☞オススメ参考書『大学入試 ひと目でわかる英文読解』(教学社)
※入試で頻出の文構造を詳しく解説している英文解釈の参考書を1冊仕上げておくとよい。
- 500~700語レベルの英文は、普通の長文読解問題を練習することで十分対処できる。1000語レベルとなると、なかなか素材が見つからないので、赤本収録の過年度の問題を用いてしっかり演習を繰り返そう。
- 赤本チャンネルで慶應義塾大学の対策法動画を公開中なのでそちらも活用して出題傾向の把握などに役立ててほしい。
☞オススメ参考書『慶應の英語』(教学社)