
傾向と対策(一般選抜)
2023年度までの一般選抜の入試問題を分析しました。さらに詳しい最新の分析は「大学赤本シリーズ」をご覧ください。
【目次】
【英語】
傾向
※2019~2023年度の分析
分量も多く、難度も高い 出題形式に慣れることが大切
出題形式 | 大問は5題。〔1〕~〔3〕の読解問題(A方式で受験する場合は、数学のマーク式の部分との合計)が一定点に達しないと〔4〕〔5〕が採点されない。 |
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試験時間 | 100分 |
解答形式 | 読解問題はマークシート法、英作文問題は記述式。 |
出題内容
- 以前は会話文や文法・語彙の単独問題も出題されていたが、近年は読解と英作文のみの出題となっている。
①読解問題
- 700語を超える長文(2019 年度〔2〕を除く)が例年3題出題されており、最新の話題を含む、考えさせられる内容のものが多い。全体の傾向としては、現代の社会現象、特に社会学的・経済学的考察を中心とした、経済学部にふさわしい内容のものが目立っている。設問の指示がすべて英文になっている。
- 設問形式は英文中の空所補充が多い。空所補充以外の設問としては、各記述に対して著者なら賛成するか・反対するか(場合によっては本文で述べられていないという選択肢もあり)を判断させる設問や、下線部についての著者の意図、著者が本文のような表現をした理由など、直接は書かれていないが、英文を読み込んだ上で判断させる問題もよく出題されている。
- 発音・アクセント関連は、アクセントの位置を問うものや、動詞と違う発音をする名詞を問うものなどが大問1題につき1~3問程度出題されることが多い。
- 2023年度は出題形式の変更があり、〔4〕では和文英訳の代わりに、日本語の短い評論が出題され、内容説明や内容真偽の4択問題となった。
②英作文問題
- 例年、後半の大問2題が英作文で、〔4〕は独立した和文英訳問題であったが、2023年度は読解の4択問題となった。〔5〕は前半(2023年度は〔4〕も含む)の読解問題の内容を踏まえて自分の意見を書くものとなっている。
- 例年〔4〕で出題されてきた和文英訳問題を概略すると、短い日常会話を英訳する問題で、単語を置き換えただけでは対応できない日本語が出題される。設問には「日本語の表現をうまく英語にできない場合は、別の言い方に変えてから英語にしてみましょう」とあり、言い換えの例も挙げられている。
- 〔5〕は、(A)と(B)から1つを選んで意見論述をする。「自分の意見と異なる見解に言及し、それに反論する」「問題文で言及されている見解やことがらを最低1つ引用する」という条件がある。さらに引用例が挙げられている。語数指定はないが、過去の出題内容や解答欄の大きさから、少なくとも150語程度の論述は求められているとみるべきだろう。
③文法・語彙問題
- 単独での出題は見られないが、読解問題中で空所補充、同意表現、語句整序などが出題されている。基本的な文法や成句に関するものが多い。
難易度
- 相当の英文量があり、かなり高度なレベルにあるといえる。
- 最後の大問の英作文は、自分で論点を見つけ、それについて論述する英語小論文の要素が強く、かなり難度が高く、時間を要するものになっている。
- 採点方法が独特なので、独立した英作文だけ先に仕上げても読解問題ができていなければ採点すらされない。読解問題については、最後に関連する英作文を書くことを念頭に置いて、先に設問に目を通し、どちらのテーマが自分にとって書きやすいかを見た上で、英文を読んでいってもよいだろう。
対策
①教科書と授業で基本を完璧に
- 大学入試問題としては最高レベルの部類に入るが、あくまでも学校での勉強が基本である。予習・復習を欠かさず、基本語句・構文・文法・発音、それに正しい読解方法を身につけるのが先決となる。
- 大事なのは、辞書の徹底的な活用で、意味だけでなく例文をじっくりと研究すること。
②幅広く深い読解力+常識を身につける
- 時事的・経済的・社会的なテーマをもった英文が多く取り上げられるのも特徴であるから、英語学習者向けの英字新聞に親しみ、英文を読み慣れておくとよい。
- 普段から新聞その他マスコミ報道に関心をもち、経済・社会や国際問題に対する常識を養うのも大事なことである。
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③文法を征服すること
- 読解問題で英語の重要文法や基本事項が問われることがある。本格的な文法書にひととおり目を通し、問題集を組み合わせて、応用力を養うことが必要である。
④英作文対策もしっかりと:和文英訳や意見論述が出題!
- 普段から書き慣れていないと、なかなか書けない。経済学部の過去問や国公立大学の二次試験問題などを利用して、十分に対策を講じておく必要がある。
- 専用のノートを作って、毎日数題ずつ解答するとよい。そのあとで、解答例を研究したり、先生に添削してもらったりすると、より効果的である。
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- 意見論述は、読解問題の英文や日本文から引用しながら自分の意見を述べる形式がとられている。このような場合は、論述テーマをまずチェックしておいて読解問題文を読むと、論述に必要な箇所が探しやすくなるだろう。