赤本の教学社

受験川柳

第4回「受験川柳」の結果発表をいたします。
たくさんのご応募、誠にありがとうございました。
また、第5回も募集いたします。

第5回募集要項

第4回 受験川柳 結果発表 応募総数2,162句

優秀賞

いつもより 解ける気がする 勝負ペン  明日やろうは馬鹿野郎 作
作者のコメント

物理的根拠はないのに、なんとなくいつもより問題が解けるシャーペンや鉛筆があると思います。そんな経験を俳句にしました。

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尾藤川柳先生 選評

16歳の学生さん。これは、実感の一句だろう。私も川柳の句会で投句する際は「勝負ペン」。このペンとの信頼関係が心理的にも受験生を応援する。

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高校生特別賞

参考書 蛍光色の 虹かかる  キプフェル大好き 作
作者のコメント

覚えなければいけないところに、蛍光ペンで線をたくさん引いていたのですが、あるとき参考書を開いたらカラフルになりすぎていて、虹みたいだなと思いました。そのことに気づいてからは参考書を開くことが少し楽しみになりました。

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尾藤川柳先生 選評

参考書への書き込みや蛍光ペンの色。読みにくくなるほどになっても、やがてそれは栄光の虹へ。参考書の汚れた現実と成果が「虹」によってアイロニーとして描かれる。

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佳作

  • 絵馬の字も 風格のある 二浪生  安田蝸牛 作

    うず高く重なる天神様の絵馬。ふと読んでしまった絵馬は「二浪」の子。その堂々たる風格に、現役生はちと怖じけたか。

  • インスタで 推薦組が 弾けてた  ふたま 作

    早々に合格を決めて弾ける友を尻目に頑張った時間が、いまの作者を形成している。

  • 教師より アプリに聞いた この進路  らんす 作

    これもIT社会のたまもの。「わが師の恩」もやがて「スマホの恩」になってしまうのかも。時代を捉えたありそうな風景。

  • ベクトルが 頭に刺さる 夢を見た  なべともあき 作

    ベクトルが空間をさまよって頭に刺さる凄いイメージの夢。それだけベクトルに悩まされた経験が潜在意識にあるのだろうか。

  • うたた寝に 喝か毛布か 迷う母  凛香 作

    受験の季節の母の情。ご自身の実感句だろうか。母の葛藤を見事に風景として描いた。頭で作った句はよそよそしいが実感は刺さる。

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尾藤川柳先生 総評

純粋な受験生の声が十七音として伝わってくる作品が寄せられ、今年大学受験の娘を持つ選者にとっても、強く心を打たれた作品が多かったことを嬉しく思います。入選句にも「インスタ」や「アプリ」など、時代の言葉が見られますが、単なる流行語としてだけでなく、作者の心理とかかわりが深く、真の川柳的な人間描写として感じられるのも、作者が深く自己を見つめて句を作っているからでしょう。

川柳を作ることは、自己の再発見にも繋がります。私が一次選考した作品の中から、選ばれた最終選考者の眼もまた、しっかりと受験という事象を見つめていることを感じました。

「受験川柳」へ応募されたみなさんが受験においても目標の成果が得られますようお祈り申し上げます。

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尾藤川柳先生

尾藤川柳先生 プロフィール

1960年、祖父・三笠、父・三柳とつづく川柳家の家に生まれる。2017年、十六代目の川柳号を継承。川柳作家としてだけでなく、「川柳学」の研究者としても活動。川柳史料の散逸を防ぎ、収集・整理・保存・研究・公開を目的とした〈朱雀洞文庫〉を創設する。女子美術大学特別招聘教授。著述および各地での川柳講座、講演、川柳展等で川柳の普及活動を行う。川柳公論社主宰。川柳学会専務理事。

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