赤本の教学社

受験川柳

第11回「受験川柳」の結果発表をいたします。
たくさんのご応募、誠にありがとうございました。
また、第12回も募集いたします。

第12回募集要項

第11回 受験川柳 結果発表 応募総数2,877句

最優秀賞

諦める? いつも答えは 反語形 しおり(17歳)
作者のコメント

志望校の判定はE。頑張っても届かないかもしれないという不安でいっぱいになる。だけど、諦めるか?と自分に聞いてみれば、いつも開いている漢文の句形が頭をよぎる。どうして諦めようか、いや諦めない。

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尾藤川柳先生 選評

下五の「反語形」がいかにも受験生らしい。めったに日常会話では使うことのない文型への意識は、それが作者の覚悟として伝わってくる。この意識の高さが、全ての受験勉強への姿勢として反映されているであろう作者は、きっと本番の受験でも勝者となるだろう。僅か十七音の短詩の中に「思い」や「覚悟」といった見えないものを描き出す力は修辞によるところが大きい。17歳のまっすぐな思いが、言語化された。

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高校生特別賞

自分より AI様が 受かりそう zako(17歳)
作者のコメント

自分が解けない問題をAIに聞いて答えがすぐ返ってくるのがAIさまさまだなと思いながら、自分より受かりそうだと思った自分の情けなさを川柳にしました。

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尾藤川柳先生 選評

さてさて、ここのところ大いに進歩してしまったAI。川柳を作らせても上手いが、難問の解を求めてもスラリと解いて見せてくれる。AI様なら合格も間違いなさそうだが、何処からか解の元を持ち出してくるだけのAIは、画一的な正解しか与えてくれそうにない。人生は、10人いたら10通りの道がある。zakoさんの不安は、AIの一面を見ているのであり、あなたの可能性は、AIよりも遥かに広い世界を持っているだろう。この川柳が、しかり。

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中学生特別賞

気が乗らず その前にまず 部屋掃除 まっちゃ(15歳)
作者のコメント

受験勉強のやる気が全く出ず、気晴らしに部屋の掃除をする様子を書きました。

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尾藤川柳先生 選評

誰もが陥りそうな掃除の罠。私も受験生時代はご多分に漏れず、掃除と絵を描くことに逃げ出していました。その受験勉強を逃げて絵を描くことが、後に美大で絵画材料を教えることにも繋がっています。目の前のやらねばならぬことに立ち向かうのは、覚悟のいることです。まっちゃさんは、中学生。自分の心の声を聴いて、その通りにすれば道は開けます。掃除がしたかったら、一度とことんやってみるのもあり。その先に真のやるべきものが見えてくるかもしれません。

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優秀賞

  • いつもより 濃い目に塗った 選択肢 kota(20歳)

    マークシートでしょうか。「濃い目」は、ある意味自信の現れでしょう。その気持ちが、作者自身の合格への思い。意識がイメージ化されたいい句です。

  • 受験書を ひらけば問の 大銀河 ヘミング舞衣ウエイ(21歳)

    これは大きな句。「人生の問」…「大銀河」のように見えてきます。人生にとっては、ほんの一瞬である受験も当事者にとっては、大銀河への冒険だったでしょう。

  • 焦りだけ 摩擦係数 0みたい じじじ(18歳)

    受験という異空間では、ただ時間ばかりが過ぎてしまうといった感覚を「摩擦係数0」とは、素晴らしい比喩ですね。物理に文学に「才能あり」といった一句。

  • 掴み取れ スイへーリーべ ボクの夢 三嶋 ふく(17歳)

    なつかしい周期律の一節。私も化学系専攻でした。その元素の構成する宇宙が、受験後の未来。その夢は、元素や原子の概念から量子の夢へと拡がるかもしれませんね。

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尾藤川柳先生 総評

毎年拝見している川柳から受験生の生の声が伝わってきます。もちろん、毎年似た思いもありますが、時代とともに変わる受験生の心理も句に現れているようです。

受験勉強にAIというツールも入ってきたのでしょうか。
そんな句も少なくありませんでした。私の頃は、偏差値至上主義のところがあり、今は大学ごとの特色が際立ち、受験生にとっては自身の適性を見極める力が求められる時代。何時の時代も、受験生は、与えられた受験システムの中で一時期を過ごさざるを得ません。「摩擦係数0」という感覚もまた、受験期という特別な時間の現れでしょう。

川柳を作ることで、多少はカタルシスを得たことでしょうし、また入選句を読むことによっても「私だけでなかった」という共感も得られるでしょう。

さあ、これからが本番です。川柳と合否は別物。皆様の夢の成就を願っております。

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尾藤川柳先生

尾藤川柳先生 プロフィール

1960年東京生まれ。女子美術大学特別招聘教授。一般社団法人川柳文化振興会常務理事。祖父・三笠、父・三柳とつづく川柳家。2017年、十六代目川柳を嗣号。川柳作家としてだけでなく、「川柳学」の研究者としても活動、川柳記念館創設の運動を始める。川柳史料の散逸を防ぎ、収集・整理・保存・研究・公開を目的とした〈朱雀洞文庫〉主宰。著述および各地での川柳講座、講演、川柳展、公募川柳等で川柳の文化普及活動を行っている。

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過去の受賞作品

第10回(2025年発表 応募総数2,913句)
最優秀賞
その努力 微分をすれば 無限大 (S)
高校生特別賞
赤本に 描く未来の キャンパス図 (ソララ)
優秀賞
赤本に カバーをかける 月明かり (秋葉のこ)
ひたむきに 解いたルートが 道となる (白川譽)
赤本と 共に過ごした 夜明け前 (2050年生まれのコオロギ)
単語帳 光るふせんの ネオン街 (かえるの子はおたまじゃくし)
赤本で 夢との距離を 推し量る (かつどん)
第9回(2024年発表 応募総数3,258句)
最優秀賞
赤本に はさむ四つ葉の クローバー (ごまさん)
高校生特別賞
赤シート 見える世界は 無限大 (ゆうちゃん)
中学生特別賞
赤本と わかれる時は 新世界 (@*S3110)
優秀賞
このレ点 人生変える 分岐点 (山法師)
かじりつく 寒さを背負い 春を塗る (風を感じたピクルス)
受験でも ダンスは続け 二刀流 (みっちゃん)
難問に ぶつかるたびに 進化する (ユースタスリンリン)
この焦り 加速度aを 求めなさい (すずか)
第8回(2023年発表 応募総数2,992句)
最優秀賞
一浪を 「ひとなみ」と読む 母が好き (ヘミング麻衣ウエイ)
高校生特別賞
変わりたい そのきっかけに 赤本を (りんごあめ)
中学生特別賞
おかえりと 塾に言われる 長い夏 (Miriam)
優秀賞
クラス写真 ピースに混じり フレミング (ミンミンゼミ)
受験生 ウサギとなって かけ抜ける (ラーメンボーイ)
スマホ手に 赤本めくる 二刀流 (つきの)
かじかむ手 カイロ代わりの 単語帳 (りり)
過去問で タイムスリップ 未来まで (ありがとうさぎ)
赤本が 示す2人の さようなら (あいぷー)
レジに出す 第一志望は 胸を張り (らくちゃん)
第7回(2022年発表 応募総数3,692句)
高校生特別賞
赤本が 恋人だった 午前2時 (みみずく)
中学生特別賞
制服は テストの日だけ 勝負服 (さいしょくけんび)
優秀賞
難問に 心拍数が 爆上がり (黒ペン)
赤本を 勝負マスクで 解いていく (たまのいわし)
「頑張れ」の LINEをスクショ お守りに (おちび。)
マスク跡 写真に残る 受験票 (かばくんのかば)
赤本を 手に取る私 賢そう? (綾)
第6回(2021年発表 応募総数4,919句)
最優秀賞
制靴が 靴箱にある 3か月 (ウェーブ)
高校生特別賞
合格の バトンつなげる 体験記 (愛)
中学生特別賞
受験生 何をやっても 受験生 (山口)
優秀賞
オンライン 心の距離も ディスタンス (匿名希望)
コロナ禍に 知った受験の できる幸 (ちゅんすけ)
ページ端 兄の足跡 踏み越えて (玉砕丸)
赤本と 一緒に過ごす 夏休み (Momomitsu)
問題が 見直すたびに 七変化 (しんちゃん)
第5回(2020年発表 応募総数3,084句)
最優秀賞
志望校 優しい嘘を 知った春 (岩間さやか)
高校生特別賞
三学期 歩幅狭めて 帰る道 (ask)
中学生特別賞
赤本に ふせんの草が 育つ夏 (みゆみゆ)
佳作
赤本が 少し膨らみ 春が来る (ちゅんすけ)
合格しても一人 (一人はいやだ)
無駄のない ペンと足音 自習室 (をたちぃ)
夢の中 解けた数式 もう一度 (受験師匠)
第4回(2019年発表 応募総数2,162句)
最優秀賞
いつもより 解ける気がする 勝負ペン (明日やろうは馬鹿野郎)
高校生特別賞
参考書 蛍光色の 虹かかる (キプフェル大好き)
佳作
インスタで 推薦組が 弾けてた (ふたま)
絵馬の字も 風格のある 二浪生 (安田蝸牛)
うたた寝に 喝か毛布か 迷う母 (凛香)
ベクトルが 頭に刺さる 夢を見た (なべともあき)
教師より アプリに聞いた この進路 (らんす)
第3回(2018年発表 応募総数2,358句)
優秀賞
髪の毛と 勉強時間 のびていく (た)
高校生特別賞
E判定 逆転サヨナラ 下剋上 (ミニハルク)
佳作
がんばった 証の赤本 今もある (マイコ)
コンビニが 塾と我が家の 中継地 (さごじょう)
英単語 トイレで先に 父覚え (ねこねこぱんだ)
「君の名は」 あると信じる 掲示板 (ロックンビート777)
紅白の 合間に開く 単語帳 (moguchimo)
第2回(2017年発表 応募総数3,432句)
優秀賞
鉛筆も わたしも尖る 受験の日 (清水ゆん)
高校生特別賞
夢のなか 点Pずっと 動いてる (つぐちゃん)
佳作
今やると 言いつつ手には タブレット (匿名希望)
「冬休み」 受験生には ただの「冬」 (マリン)
赤本の 売り切れで知る 敵の数 (ししゃも)
古文にも 母の話も 主語がない (さごじょう)
おおみそか カウントダウンが にくらしい (A.S.)
第1回(2015年発表 応募総数2,303句)
優秀賞
人生を 決める小さな 選択肢 (とんがりトマト)
高校生特別賞
睡眠と 勉強息抜き 三角比 (匿名希望)
佳作
オリオン座 明日も勉強 頑張ろう (ひかり)
それとなく 聞き出す彼の 志望校 (あいあい)
アイドルの 曲で覚える 周期表 (ヤンヤン)
早起きは 三問のトク 受験生 (にゅうめん。)
赤本の 表紙隠して 持ち歩く (2009年九大受験生)
赤本を 枕にちょっと 一休み (だいちゃんZ!)
ちょっと待て Aはこんなに 続くのか? (あずき)
第11回募集要項

受験川柳

受験にまつわるエピソードや受験への想いのこもった川柳を募集します。受験勉強中にふと思いついたことや受験を終えて感じたこと、受験生を応援するものなど、なんでもOKです。楽しくユニークな作品や、思わずじんとくるような作品をお待ちしております。ふるってご応募ください。

募集期限

2026年9月24日(木)

賞品

応募作品のなかから最優秀賞などを選考し、賞品を進呈します。

募集対象

応募資格は問いません。
受験生のみなさま、受験生だったみなさま、受験生のご家族、先生など、ふるってご応募ください。

投稿作品

「受験」にちなんだ川柳(五・七・五の十七音)
※作品の説明(状況・心情)をあわせてお寄せください。
※応募数に制限はありません。

川柳とは?

赤本ブログにて、選評者 尾藤川柳先生の「受験川柳スペシャル講座『誰でもわかる川柳入門』」を公開しています。作品づくりの参考にしてください。

投稿方法

下記投稿フォームよりご応募ください。
学校等の団体で応募される場合は、団体応募用紙をダウンロードし、郵送でご応募ください。
団体応募用紙

応募規定
 ※必ずお読みください。

  • 1.
    応募作品は、自作で未発表のものに限ります。
  • 2.
    応募作品の著作権は作者にありますが、使用権は世界思想社教学社が有し、応募作品を紹介・出版・商品化する場合があります。
  • 3.
    応募に際し、取得した個人情報は上記目的および目的に関わる諸連絡以外に利用することはありません。