東京科学大学(医歯学系(旧 東京医科歯科大学))の入試問題の出題傾向を徹底分析! とるべき対策や勉強方法がわかる!

東京科学大学(医歯学系(旧 東京医科歯科大学))の入試問題の出題傾向を徹底分析! とるべき対策や勉強方法がわかる!

2025年 03月 06日

傾向と対策(一般選抜前期日程)

2024年度までの入試問題を分析しました。さらに詳しい最新の分析は「大学赤本シリーズ」をご覧ください。

【目次】

【英語】

傾向

※2018~2024年度の分析

語彙力と速読力は必須 要点把握+表現力がポイント

出題形式 例年、長文読解の大問が1題。設問の種類は例年同じであり、学科によって解答する問題が指定される形式となっている。⑴〜⑷は設問も英文。
試験時間 90分
解答形式 同意表現・内容真偽が選択式、その他は記述式。

出題内容

  • 設問内容:⑴同意表現 ⑵内容説明 ⑶内容真偽 ⑷内容説明(25語3問) ⑸英文和訳 ⑹内容説明(400字)※医・歯学科は⑶~⑹、その他の学科は⑴~⑶、⑸、⑹を解答。

①読解

  • 文章の出典は、比較的最近の雑誌や学会誌に発表されたものが多い。
  • 内容は、医学関係のものがやや多く見受けられるが、それ以外にも科学的な内容や、動物の生態、進化、行動といった、「生き物」とはどういうものか、「人間」とはどういう存在かという興味をかきたてられるものが選ばれている。
  • 同意表現、(代)名詞の内容説明((代)名詞が指しているものを1〜5語の英語で答える)、内容真偽は、英語の読解力そのものが試される。
  • 10〜25語の英語での内容説明、英文和訳、400字の日本語での内容説明は、理解した内容を適切に表現できるかどうかが試される。例年、400字の内容説明は用いるべきキーワードが指定されている。

難易度

  • 文章に使われている語彙・表現に難解なものは少なく、通常は専門的で特殊な語句には注がついている。文章そのものも全体としては読みやすい。まず必要なのは分量の多さに臆することなく読み通す力である。
  • 解答するという点で一番のポイントは、英語・日本語での内容説明でどれだけ的確に答えられるかということ。
  • 試験時間も、文章の長さと記述量の多さを考えると決して余裕があるものではない。その点でやや難ではある。

対策

①正確な速読を目指す

  • 出題される文章の長さを考えると、最終的には速読力がものをいうことになる。しかし、内容真偽の解答個数の多さや、記述による内容説明が出題されることを考えれば、「正確な」速読でなければ意味がない。
    • 一読で正しく理解できるようになるには、英文の構造・文法に精通し、骨組みとなる文型、それに付加される修飾語句・節の意味や役割を即座に見抜くことが必要。
    • 初めは速度よりも、英文の分析が正確にできることを目指そう。
  • 読解の問題演習や授業の予習の際には、使われている単語の意味や語法、文法事項の確認をしっかり行い、知識の充実を図ろう。
    • 同じ動詞でも、不定詞になっているのと現在分詞になっているのとでは訳が異なる。形を見たら即、それにふさわしい解釈ができるようになるまでしっかり消化しておこう。
    • その上で、日本語とは異なる順序で示される情報を、そのままの順序で取り込む読み方を心がけること。

②文章の流れを意識した読み方をする

  • 英語の論説文は、ほとんどの場合、述べ方が共通している。つまり「まず要点、次に詳細」である。このことは、実は1文でも、1段落でも、文章全体でも同じである。
    • 文レベルの読みがすばやく正確にできるようになったら、次は1段落ごとにメリハリをつけて読むことを意識しよう。必ずしも段落の第1文とは限らないが、早い段階でその段落の話題が示されるはずである。
  • 理解の手助けには、段落の要点を1文でメモしてみるとよい。段落分けが細かい場合は、意味段落にまとめた上で要点をメモしてみよう。
    • 短いメモにできなければ、まだ読み方が散漫になっているということである。
  • 英文の長さという点では、1500語を超える長さのものは演習量を確保しづらいので、受験勉強の初期には500語程度の英文を多く読むことで英文に慣れるようにしよう。
    • 仕上げ期に入ってから、本番と同程度の長さのものを読むとよいだろう。
    • 他大学の過去問も活用すれば一定量の練習が積める。慶應義塾大学環境情報学部や、早稲田大学国際教養学部で出題されている論説文は1000〜1500語程度のボリュームがある。内容は必ずしも医学関係ではないが、長さに慣れるという点ではよい演習材料となる。

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③的確な表現力を培う

  • 設問の中で解答に最も時間がかかるのは日本語での内容説明である。
    • 対策②で述べた段落メモを作る方法で内容を理解したら、文章全体の要約を書いてみると練習になる。近年は400字で定着しているので、400字と字数を決めて、その字数内でうまくまとめるようにすると、より実戦的である。
    • 文章全体の要約だけでなく、対立する2つの考えの一方だけが問われたり、部分的なまとめが求められたりすることもあるので、過去問に取り組むときや実際の試験のときは、先に設問文に目を通して何を説明することが求められているか確認しておくとよい。
  • 過去問などを利用する場合は、自分の解答と解答例を照らし合わせて、自分に足りなかった部分や、わかっていたけれどもうまく言い表せなかった部分をしっかり研究しよう。
    • 大切なのは、自分の解答を自力で添削できる力である。自分の解答を客観視できることが、よい答案作成につながる。