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「新課程」とは何ですか?
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新しい「学習指導要領」に基づく教育課程です。
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学習指導要領とは,学校で学ぶ教育内容について文部科学省が定める指針のようなもので,およそ10年に一度の間隔で見直されています。数学と理科については,2012年度入学の高校生から新しい教育課程で授業が行われており,2015年度入試が新教育課程で行われる最初の入試となります。
- 旧課程の「数学基礎」「理科基礎」は,大学入試では出題されませんでした。新課程の「数学活用」「科学と人間生活」「理科課題研究」も同様に,大学入試で扱われることはほとんどないでしょう。
- 旧課程の「理科総合A」「理科総合B」は,センター試験や一部の大学の個別試験で出題されていましたが,新課程では該当する科目がなくなります。
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文系科目は関係ないのでしょうか?
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はい。文系科目は従来と同じです。
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文系科目の授業が新課程になったのは理系科目から1年遅れの2013年度入学者からで,入試が新課程になるのは2016年度入試からです。2015年度入試は従来と同じ教育課程で実施されます。
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理系科目で注意すべき点はありますか?
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項目の変更や移動に注意しましょう。
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数学も理科も高校で学習する範囲全体を見れば,新課程と旧課程でそれほど大きな変更があるわけではありません。しかし,課程の変更によって,一部に新課程で新たに学習する項目や,新課程では学習しなくなる項目はあります。また,ある学習項目が「数学Ⅰ」から「数学A」に移動するなど,新課程と旧課程で別の科目で扱われることもあります。
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新課程で大学入試はどのように変わりますか?
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特にセンター試験で出題科目や出題方法が変わります。
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センター試験については,2015年度の出題科目や出題方法が大学入試センターより発表されています。特に理科4科目は「物理基礎」「物理」など,「基礎が付く科目」と「基礎が付かない科目」の2系統の出題となるのが大きな特徴です。
各大学の個別試験については,概ね旧課程に近い出題範囲が設定されることが多いですが,各科目で扱われる内容や項目の変更には注意を払う必要があります。
- 大学入試での出題範囲
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各科目の変更はどのようなものですか?
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高校で学ぶ範囲全体で見れば大きな変更はありません。
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数学では,旧課程にあった「数学C」という科目がなくなりますが,その項目の多くは「数学B」や「数学Ⅲ」に引き継がれます。「行列」「数値計算とコンピュータ」という項目がなくなり,「複素数平面」「整数の性質」といった項目が追加されますが,このうち「数値計算とコンピュータ」を出題する大学はもともと少なく,逆に「整数の性質」は従来からも出題している大学がありました。
理科では,従来の「○○Ⅰ」「○○Ⅱ」から,「○○基礎」「○○」という「基礎の付く科目」と「基礎の付かない科目」に再編されますが,「○○Ⅰ+○○Ⅱ」と「○○基礎+○○」の範囲全体で見れば,高校で扱う範囲に大きな変更はありません。ただし,旧課程「○○Ⅱ」にあった選択履修項目が,新課程では必修化していますので,その点では学習内容は増加しています。