物理基礎
力学以外の分野の扱いが軽くなる
- 力学の大部分は旧「物理Ⅰ」の内容を引き継ぎますが,電磁気,波動,熱力学は扱いが軽くなり,「様々な物理現象とエネルギーの利用」として導入程度の内容にまとめられます。
- 中でも「物理Ⅰ」のみで扱われていた波動は,大部分が「物理」で扱われることになります。
- 剛体のつり合い,波の回折・干渉の大部分,ドップラー効果,ボイル・シャルルの法則,静電誘導といった項目は「物理」へ移動します。
- 逆に物質の三態,放射線・原子力の利用などの項目が入ってきます。
物理
原子分野が必修化
- 波動など,旧「物理Ⅰ」から移動してくる項目と,旧「物理Ⅱ」を合わせた内容となります。
- 選択履修がなくなったため,「原子」分野が必修化しました。
センター試験
物理基礎
出題の分量は軽減
- 旧課程の「物理Ⅰ」から内容が軽減し,試験時間も他の基礎科目と合わせて2科目で60分となるので,「物理基礎」としては30分相当の出題となります。
- 出題の分量は減っても,形式や難度は大きく変わらないと予想されます。
- センター赤本では,物理基礎に該当する問題にのマークを付けていますので,選んで解いていってください。
物理
出題内容は増加
選択問題が出題される見込み
- 逆に「物理」では旧課程では出題がなかった「物理Ⅱ」の範囲からも出題されることになります。
出題範囲が大幅に増えますが,一部に選択問題を配置すると発表されています。 - 旧課程の「物理Ⅰ」では,様々な運動,電流と磁界,原子などの過去問がありませんが,2005年度以前や1996年度以前の課程でよく出題されていた項目もあるので,センター赤本に収載している当時の過去問が参考になります。
各項目の詳しい分析と対策については,センター赤本「物理(物理基礎・物理対策用)」をご覧ください。
個別試験の出題範囲の主なパターン
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①旧「物理Ⅰ・物理Ⅱ」→新「物理基礎・物理」
高校物理全体としては,大きな変更はありませんが,旧課程では,選択履修に配慮して「物理Ⅱ」については「力と運動」「電気と磁気」と「物質と原子」のうち「原子,分子の運動」(気体分子の運動)のみが出題範囲とされ,原子分野を出題範囲外とするケースがよく見られました。新課程では必修化にともない「物理基礎・物理」全体を指定する大学もあるので,注意が必要です。
削除される主な項目 特になし 追加される主な項目 特になし -
②旧「物理Ⅰ」→新「物理基礎・物理」
特に理系学部では,「物理基礎」のみを設定することは稀なので,「物理Ⅰ」のみを課していた大学が,「物理基礎・物理」に範囲を広げるケースが見られます。この場合,特に電磁気分野の出題の比重が高まると予想されますので,問題集などで補強しておく必要があります。
削除される主な項目 特になし 追加される主な項目 様々な運動(平面内の運動,運動量と力積,円運動,単振動,万有引力,気体分子の運動),電気と磁気(電界と磁界,コンデンサー,電磁波),原子など -
③旧「物理Ⅰ」→新「物理基礎」
個別試験では「物理基礎」のみの出題は少ないですが,理科の「Ⅰ」から1科目選択だったのを,「基礎」から2科目選択に変更するケースも見られます。この場合,力学以外の分野の出題内容がかなり軽減されることになります。
削除される主な項目 剛体のつり合い,波の回折・干渉の大部分,ドップラー効果,光波,ボイル・シャルルの法則,静電誘導など 追加される主な項目 物質の三態,放射線・原子力の利用など