化学基礎
無機・有機の各論が扱われなくなる
- 旧「化学Ⅰ」の内容のうち,物質の構成(構造,結合)と物質の変化(物質量,化学反応式,酸・塩基,酸化・還元)を中心にまとめられました。
- 無機と有機の各論分野全般と,熱化学,電気分解,電池などは「化学」に移動します。
- 一方,熱運動と物質の三態,化学結合のうち,配位結合や分子の極性などが「化学Ⅱ」から移動してきています。
化学
高分子分野が必修化
- 無機・有機など,旧「化学Ⅰ」から移動してくる項目と,旧「化学Ⅱ」を合わせた内容となります。そのため,従来の「化学Ⅱ」よりもかなりボリュームがあります。
- 旧課程では,「生活と物質」「生命と物質」が選択履修でしたが,新課程では「高分子化合物の性質と利用」としてまとめられ,高分子分野が必修化しました。ただし,新課程では生命に関する項目(生命を維持する化学反応など)の扱いが軽減されています。
センター試験
化学基礎
出題の分量は軽減
- 旧課程の「化学Ⅰ」から内容が軽減し,試験時間も他の基礎科目と合わせて2科目で60分となるので,「化学基礎」としては30分相当の出題となります。
- 出題の分量は減っても,形式や難度は大きく変わらないと予想されます。
- センター赤本では,化学基礎に該当する問題にのマークを付けていますので,選んで解いていってください。
化学
出題内容は増加
選択問題が出題される見込み
- 逆に「化学」では旧課程では出題がなかった「化学Ⅱ」の範囲からも出題されることになります。
出題範囲が大幅に増えますが,一部に選択問題を配置すると発表されています。 - 旧課程では,化学平衡や高分子分野の過去問が少ないですが,1996年度以前の課程では出題が見られますので,センター赤本に収載しているそれらの過去問も参考になります。
各項目の詳しい分析と対策については,センター赤本「化学(化学基礎・化学対策用)」をご覧ください。
個別試験の出題範囲の主なパターン
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①旧「化学Ⅰ・化学Ⅱ」→新「化学基礎・化学」
旧課程「化学Ⅰ・Ⅱ」から出題される場合には,「化学Ⅱ」の選択履修項目だった「生活と物質」「生命と物質」については「選択問題としていずれかを解答」や「どちらを履修した者にも対応した出題」とされるケースがよく見られました。どちらも高分子化合物を中心に扱う項目でしたので,新課程の「化学基礎・化学」でも大きな変更はないでしょう。
削除される主な項目 特になし 追加される主な項目 特になし -
②旧「化学Ⅰ」→新「化学基礎・化学」
主として理系学部で「化学Ⅰ」から「化学基礎・化学」に範囲を広げるケースが見られます。理論化学を中心に無機・有機をバランスよく課す大学が多く,「化学Ⅰ」に無機・有機が含まれていたため,実質的には出題に大きな変化はないかもしれません。ただし,「化学Ⅰ」にない化学平衡などの分野や,余裕があれば高分子化合物なども問題集で対策しておいた方がよいでしょう。
削除される主な項目 特になし 追加される主な項目 物質の状態とその変化,溶液と平衡,化学反応と化学平衡,高分子化合物など -
③旧「化学Ⅰ」→新「化学基礎」
私立大学の家政系や看護系学部で「化学基礎」のみを出題範囲にするケースが見られます。また,「Ⅰ」から1科目選択だったのを,「基礎」から2科目選択に変更するケースも見られます。この場合は無機と有機がなくなるため,従来よりかなり出題範囲が狭くなります。
削除される主な項目 無機全般,有機全般,熱化学,電気分解,電池など 追加される主な項目 熱運動と物質の三態,極性,配位結合など