めばえさん
理系の国立大学を目指している高校3年生。毎日コツコツ勉強する真面目派。
めばえさん
理系の国立大学を目指している高校3年生。毎日コツコツ勉強する真面目派。
のびるさん
文系で国公立大学と私立大学の併願をしようと思っている高校3年生。早く青春したい!
赤本くん
物知りの赤い本。入試制度や過去問について、とても詳しい。
まず共通テストがどんな試験なのか見てみよう。
大学に入りたい人を対象としたテストで、「高校の教科書の内容をきちんと理解できているか、 大学で学ぶために必要な力がついているか」を把握することを目的とする試験。
「高校の教科書の内容をきちんと理解できているか」が試されるんだね。まずは日常学習を大事にするのが基本なんだね。
それならちょっと安心。私は今のところ、国立大学を第一志望にするつもり。
一般選抜で国公立大学を目指す場合は、原則、一次試験として共通テストを受験して、二次試験として志望大学の個別試験を受験することになるよ。
一般選抜のスケジュール
1月中旬
共通テスト(本試験)
2月〜
私立大学の一般選抜
2月下旬
国公立大学の一般選抜(前期日程)
じゃあ、私は共通テストは必ず受けなくっちゃ。
2025年度の本試験は、
「1月18日(土)、19日(日)の2日間」
万が一、病気やけがで受験ができなかった場合には、追試験を受験することもできる。
出願はいつ頃すればいいのかな?
例年、「受験案内」の配布が9月頃から、出願は10月頃からと、かなり早い時期から動き出すよ。
了解!
共通テストの出題科目は次の7教科21科目だよ。
この中から自分の好きな科目を選んでもいいの?
志望大学の受験に必要な科目の中から選ぶ必要があるよ。共通テストの受験科目が足りないと大学の個別試験に出願できなくなることもあるので、気をつけてね!
国立大学の試験科目でよく見られるパターン
いろんな教科をまんべんなく勉強しておかないといけないんだね。
ちなみに、特に地理歴史と公民では、選択できない組み合わせがあるので、要注意だ!
それに、東京大学など一部の大学では、共通テストで『地理総合/歴史総合/公共』を選択できないこともあるよ。
ふむふむ。気をつけよう!
私立大学を志望する場合も共通テストの受験は必要なの?
私立大学は大学の独自試験だけで選抜する方式が主流だから、共通テストを受けなくてもよいことがほとんどだよ。だけど、多くの大学で「共通テスト利用方式」を実施しているんだ。
へええ。なるほど。
国立大学のように6教科を課すところはほとんどなくて、文系であれば「外国語」「国語」「地理歴史・公民」などの3教科で出願できるところが多いよ。
国公立大学でも私立大学でも、受験する大学ごとに募集要項で共通テストの利用方法を要チェックということだね。
そうそう、とにかくそれが大事だよ!
めばえさん・のびるさんたちが受験する2025年1月の共通テストは新課程での初めての実施になるよ。
いくつか変更点があるから、どこがどう変わるのか、注目のポイントを見ておこう。
2025年度の共通テストでは、出題教科に「情報」が加わって「7教科」になるよ。そして、国立大学を受験する場合は、原則として「情報Ⅰ」が必須科目になるんだ。
60分、100点
試作問題では、「情報社会の問題解決」「コミュニケーションと情報デザイン」「コンピュータとプログラミング」「情報通信ネットワークとデータの活用」の4つの領域から出題されている。
「情報Ⅰ」って1年生のときにやったきりかも。私はPythonを習ったけど、プログラミングの問題はどの言語で出題されるんだろう?
教科書の違いで不公平が出ないように、大学入試センター独自のプログラム表記で出題されるんだ。プログラミングの基本的なルールは同じだから安心して!
共通テストの各教科の配点は大学や学部ごとに設定されるんだけど、「情報」の配点もさまざまなんだ。北海道大学のように、受験は必要だけど配点はしない、という大学もあれば、他の教科よりも重視するところもある。
受験科目を調べるときに配点もチェックしておきたいね。
そうそう。受験する大学・学部の募集要項をよく確認しておこう。第一志望だけじゃなくて、第二・第三志望の大学もね。
はーい。
他の教科のことも知りたいな。
ざっくりまとめると、こんな感じだよ。
英語リーディングで、これまで大問6問の出題だったのが8問の出題になるかもっていううわさを聞いたんだけど…。
それは、「モニター調査」の影響かな。英語では、2022年11月に、大問3問分(うち1問はリスニング)の試作問題が公表されていたんだけれど、同年12月に行われたモニター調査で、それらの試作問題を含めた8問構成の試験問題セットが使われたんだ。ただ、モニター調査では、もともと第1問Bのように中問として出題されていたものを大問として数えていたから、問題の分量が増えたわけではないよ。
そうなんだ。
うん。それに、新課程の試験での出題内容は「引き続き検討する」とされていて、本番の共通テストが、モニター調査の問題構成通りで出題されるとは限らないよ。
なるほど…。もし、本番の英語のリーディングで新傾向の出題があったとしても、慌てないようにするよ。
そうだね。出題形式が多少違っても、作問の方向性は変わらない。これまでの過去問を見て、いろんなタイプの出題を知っておくと、共通テストらしい「出題のクセ」がわかって安心だね。
たしかに。
数学と国語、それから地理歴史・公民についてもう少し詳しく教えて。
オッケー。では、まずは数学から見ていこう。
数学②では、これまで『数学Ⅱ・B』だったのが、「数学C」が加わって『数学Ⅱ・B・C』になるよ。
旧課程(〜2024年度)の出題内容
数学Ⅱ・B (試験時間60分)
「数学B」は3問のうち2問を
選択解答
新課程(2025年度〜)の出題内容
数学Ⅱ、B、C (試験時間70分)
試作問題『数学Ⅱ、B、C』の概要より(大学入試センター、2022年11月)
「数学B、C」は4問のうち3問を
選択解答
「数学C」の分、以前までより学習する範囲が広がっているよね。大変だー。
でも、「数学C」は選択問題なんだね。ベクトルを選択したら、これまでの出題内容と重なるから、過去問で対策できるね。
試験時間も10分増えて70分になる。時間配分も考えながら、本番を想定した練習を重ねよう。
「国語」では現代文が2題から3題に増えることが予告されている。追加される問題として公表された試作問題はグラフや図の内容を読み取らせる内容だった。従来の評論(論理的な文章)・小説(文学的な文章)に加えて「実用的な文章」が出題されると考えられるよ。
問題数が増えるの!?
その代わり、試験時間が80分から90分に伸びるよ。配点も現代文が100点→110点、古典(古文/漢文)が100点→90点に変更されるんだ。
旧課程 : 試験時間80分
新課程 : 試験時間90分
試作問題『国語』の概要より(大学入試センター、2022年11月)(一部推定)
いろんな種類の文章が出るんだね。グラフの読み取りの練習も、しておかないとな~。
地理歴史と公民は、科目の枠組みが変わっているんだけど、科目名が変わっても、旧課程の過去問で対策ができるよ。
旧課程
新課程
「歴史総合」っていうのは、「近現代の歴史を、世界とその中の日本を相互的な視野から捉えて理解する科目」で、日本と世界の近現代史を切り離すことなく同時に学ぶ科目ととらえておくとよいよ。だから、「歴史総合」の部分は日本史と世界史をまたいだ内容が出題される。
了解です。近現代史を学ぶときは、「そのとき日本は」「そのとき世界は」の視点を忘れないようにします!
内容的には、これまでの共通テストが参考になりそうでほっとしたよ。
でも、新教科として情報が加わって、数学と国語で試験時間が長くなっても、これまでと同じ2日間で行われるわけだから、本番は長時間の勝負になるよね。体力をつけておかないと!
ほんとだね。ちょっと気が早いけど、試験当日の時間割ってどうなるの?
これまで発表されている案からイメージすると、こんな感じみたいだよ。
正確には、2024年9月頃に発表予定の共通テストの「受験案内」で必ず確認してね!
ざっくり言うと、1日目が文系科目、2日目が理系科目って感じなんだね。
長丁場だから、チョコレートなども持って行っておくとよいかも。
共通テストでは「思考力」が問われるって聞いたことがあるんだけど…。
新課程の問題作成方針を見ると、これまでと同じように「思考⼒・判断⼒・表現⼒等を発揮して解くことが求められる問題を重視する」とされていて、共通テストの大きな特徴になっている。
「思考力」が必要な問題ってどんなのなんだろう?
たとえば、複数の資料を読み取る問題が出題されているよ。
なるほど。まず、たくさんの資料やデータを読み取った上で、さらに、読み取れたことから考えることが求められるんだね。
これはどの科目にも当てはまることだけれど、多彩な資料や文章などを読む必要があって、全体的に、問題文が長くなっている傾向があるよ。
ひゃあ~っ。そもそも、「読解力」や、スピードも必要ってことだね。
そうだね。共通テストの出題形式に慣れておくことも、対策の第一歩になるね。
早速、対策を始めたくなってきたよ。
共通テストの過去問を見ておくと参考になりそうだね!
うん、いちど解いてみると、どんな勉強が必要かも見えてくるから、怖がらずにやってみてほしいな。過去問の研究はとっても役立つよ。
大学入試センターから公表された資料等を詳細に分析して、新課程の共通テスト対策に最適な問題を掲載した問題集を紹介するよ。
まずは過去問題集でどんな問題が出るか把握して、対策の指針を立てるのが基本だ。
過去問題集
共通テスト赤本シリーズ
共通テスト過去問研究
全12点
過去問で、共通テスト特有の「出題のクセ」を知ろう!
公表された〈新課程試作問題〉
&これまでの共通テストの過去問を、バッチリ収載。
詳しい「対策講座」で、科目別の勉強法がわかる!!
新科目の『情報Ⅰ』は過去問がないから、続けて紹介する重点対策問題集を活用しよう。
受験勉強は計画性と自己分析が求められる。専用のノートを作るのもおススメだよ。
自己分析
赤本ノート
赤本ノートプラス(共通テスト用)/
赤本ルーズリーフプラス(共通テスト用)
全科目に対応!
マークシートの練習ができ、
復習に役立つ記録がつけられて、自己分析に最適!
※2024年夏に、赤本ノートプラスに改訂予定
あぁー、なんだかやる気が出てきたよ!
ふふふ、それはよかった。「受験勉強は過去問に始まり、過去問に終わる」だよ。今日から始めて、ライバルに差をつけよう。
はぁーい。憧れの大学生活に向けて、頑張りまーす!
新課程になっても、解答の方法は、これまでの共通テストと同じですか?
はい。これまでと同じく、マークシートです。ただし、地歴公民・数学・理科など、選択科目のある教科は、解答用紙に表面と裏面があるので、特にマークする場所を間違えないように注意が必要です。
共通テスト本番で、これまでまったく見たことのないタイプの問題や題材が出題されたら、焦ってしまいそうです…。
新課程の共通テストでは、初めて見る資料が出題される可能性が高くなるかもしれません。ただ、ぱっと見た感じ、出題形式が多少違うように感じても、「問題文をよく読み、設問で要求されていることを理解し、これまで高校で学んできた知識を活用して正答を導き出す」という手順は同じです。これまでも、出題傾向が変わることはありました。しかし、問われ方が変わっても問われる力は同じなのです。落ち着いて取り組みましょう。
病気やケガで共通テストを受験できなかったらどうなるのでしょうか?
やむを得ない事情で受験できなかった人を対象に追試験が実施されます。
旧課程で学んだ過年度生のための経過措置はありますか?
あります。新課程を履修していない入学志願者に対しては、出題する教科・科目の内容に応じて経過措置を講じることとされており、下記の教科では旧課程科目で受験することが可能です。なお、新課程で学んできた人が旧課程の出題科目を解答することはできません。
・数学①、数学②(ただし、数学②の試験時間は70分)
・地理歴史・公民
・情報
※地理歴史・公民については、出願時に申請が必要なので注意。また、新課程と経過措置を組み合わせて選択することもできません。
※数学および情報では、新旧両課程が同一の問題冊子に掲載される予定なので、解くべき問題を間違えないようにしましょう。
社会や理科の選択科目によって、有利不利はありますか?
共通テストの本試験では次の科目間で、原則として「20点以上の平均点差が生じ」るか、あるいは「15点以上の平均点差が生じ、かつ、段階表示の区分点差が20点以上生じ」、これらが「試験問題の難易差に基づくものと認められる場合」には、得点調整が行われます。ただし、受験者数が1万人未満の科目(「情報」を除く)は得点調整の対象とはなりません。
得点調整の対象科目
二次試験や私大入試も新課程で変更がありますか?
国公立大学の二次試験や私大入試では、過年度生に不利にならないよう配慮することもあって、ほとんどの大学で大きな変更は予定されていません。
これまでに課程が変わったときも個別試験はほとんど変わらなかったので、安心して赤本などの過去問に取り組んでおきましょう。