デザイン系学科をめざすあなたへ

ブックガイド

デザインを学ぶ大学生と、編集部のオススメ書籍を紹介します。

デザイン初級者向け

これ、誰がデザインしたの?渡部千春 著、「デザインの現場」編集部 編、美術出版社誰もが一度は手に取ったことのあるロングセラー商品について、誰がどのようにデザインしたのか、ツボを押さえてレポートしてくれる一冊。
身近な商品のデザインを見直すきっかけになる。

デザイン・ウィズ・コンピュータ永原康史、エムディエヌコーポレーション今やデザインに欠かせないコンピュータ。にもかかわらず、見過ごされがちなデジタル・デザインの特性を、豊富な図版とともに一から解説。
本格的にパソコンでデザインに取り組む前に、まず手にとってほしい本。

デザイン中級者向け

デザインのデザイン原研哉、岩波書店グラフィック・デザイナーの著者が、デザインを正面から論じた本。
新鮮なコンセプトをもったその仕事の数々から、デザインの本質が見えてくる。学生アンケートで高校生への「オススメ本」第1位。

デザインの輪郭深澤直人、TOTO出版第一線で活躍するプロダクト・デザイナーのインタビューや雑談から「デザインとは何か」を浮かび上がらせるエッセイ。
1つ1つのテーマが詩的な言葉と具体的な経験論で構成されていて、多面的なものの見方に驚くはず。

建築に夢をみた安藤忠雄、NHKライブラリー時代の建築とそれが及ぼす社会への影響を、実際に見聞した経験をもとに解説する。
また、その経験をいかに自分の建築に落とし込んできたかを紹介しているので、日本を代表する建築家の創造プロセスも知ることができる。

デザイン上級者向け

デザインの生態学―新しいデザインの教科書後藤武・佐々木正人・深澤直人、東京書籍デザイン分野から注目されている「アフォーダンス」論の紹介を皮切りに、話題はプロダクトから建築・美術にまで広がる
一流の建築家・研究者・デザイナーがタッグを組んだこの一冊は、理論派のあなたにオススメ。

陰翳礼賛谷崎潤一郎、中公文庫日本の生活文化に宿る感性を、見事に描き出したエッセイ。
衣食住の美は、日本家屋の暗がりと、障子や蝋燭がつくり出すかすかな光の中でこそ生きてくる。厠(=トイレ)についての親しみやすいくだりも。
建築を学ぶ学生をはじめ推薦者多数。

その他

建築学生のハローワーク五十嵐太郎 編、彰国社建築を学んだ先にある、約50種の職業を見開きで解説。
建築士から紛争解決請負人まで、多彩な職業の魅力や大変さをコンパクトに知ることができる。
豊富なインタビューを読めば、今まで知らなかった建築の生かし方に出会えるはず。

現代デザイン事典平凡社デザインの基本から最新のキーワードを押さえるのに便利。
事典としてはもちろん、「広告」など大きな項目別にまとめられているので、興味のある分野について知識を深めるための読み物としても活用できる。
毎年改訂。

Eames Films チャールズ&レイ・イームズの映像世界(DVD)角川エンタテインメントインダストリアル・デザイナーのイームズ夫妻が手がけた映像作品集。
代表作『パワーズ・オブ・テン』は、ミクロの世界から宇宙の果てまで、実写とアニメーションで映像化した切り口が斬新。
そのほかデザイナーの感性が随所に散りばめられた映像は、カラフルで楽しい!